2015年9月25日金曜日

東京農業大学総合研究所研究会には26の部会がありますが、http://nri.nodai.ac.jp/society/groups/ その中の食育研究部会は農政ジャーナリスト(元NHK解説委員)の中村靖彦氏が会長をしています。今日は世田谷キャンパスの横井時敬講堂で柴田昌平氏が監督制作したドキュメンタリー映画「千年の一滴 だし しょうゆ」https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/141223-2/ を上映するというので、私も視聴してきました。日仏合作ということでしたが、日本のドキュメンタリー映画製作会社にフランスとドイツのアルチェーという公共放送テレビチャンネルが出資して企画から取材・ロケーションまで約3年かけて制作したようです。日本の食文化に関わる「だし」を北海道のコンブ、九州のカツオブシ、カシ・クヌギに生えるシイタケからひく(作るとは言わないそうです)ことの紹介と、第2部では稲作が豊作の時に稲霊(いなだま)から採取する麹菌(こうじきん)を使った日本酒造りの紹介をしていました。
日本人が古代から自然を大切にし、その恵みを生かして素晴らしい食材を作ってきたことがわかり、フランスやドイツのテレビで放送後アンコールの要望が何回もあって、すでに同じ番組を5回以上放送したとのことでした。
上映後は中村靖彦氏と制作者の奥さん(名前は聞き取れませんでした)との対談があり、制作者の人柄や制作の背景がよくわかりました。
ただ残念なのは、現在の子供たちの味覚はにぶくなって、伝統的な日本食のもつ"うまみ"を感じることができなくなってきているので、食育教育が必要とのことでした。

夕方はそのまま東京に寄って、Bayer CropScience (バイエル社)のGlobal Pollinator Manager(世界の受粉昆虫問題の担当部長)が来日中とのことでしたので、会食をしながら情報交換をしてきました。昨日は、11月21日に開催されるシンポジウムに私と同様に報告者の一人として参加する国立環境研究所の五箇公一博士にも会ってきたとのことでした。

バイエル社は今年オーストラリアのキャンベラで開催された第2回世界若者農業サミットのスポンサーで、日本代表の二人の参加者の選考委員会に私も関わったことから、担当者からサミット関連の資料や日本代表二人の写真などもいただきました。
http://www.bayercropscience.co.jp/php/news_detail.php?id=118&type=0
日本代表として参加した永澤拓也君は千葉大学園芸学部で農業経済学を専攻した卒業生ですが、現在はオランダの大学の大学院に留学しています。高尾育穂さんはNTT東北(福島)の職場に復帰しましたが、二人とも世界から集まった若者たちと何日間か交流して、貴重な経験をしてきた筈です。
第3回世界若者農業サミットは、2年後にヨーロッパで開催予定とのことでした。