2015年10月17日土曜日

今日は一日ケリー君が休みをとってくれてお付き合いしてくれることになりましたので、両方の中間点辺りにある山の中のレストランBoyd's(ボイズ)で朝8時に待ち合わせました。毎年ここで朝食を食べますが、山の中の集落のひとたちが集まる場所で地域の人たちと接することができるので私のお気に入りのレストランです。朝6時から午後2時まで営業で、朝食と昼食だけを提供しています。主人に今年も日本から来たと伝えて、トーストとグリッツ(トウモロコシの粉)とソーセージとコーヒーを頼みました。このレストランは壁画が見事で、一面はぎこちない子供のようなタッチで低い山と木々と湖が描かれていますが、よく見ると子供が湖で魚釣りをしていたり、この辺りの景色によく似た雰囲気です。もう一面は写実的で高い山と湖がまるで写真を撮ったかのように描かれていますが、私はぎこちない絵の方が気に入っています。

山の上の曲がりくねった坂道の運転は難しいので、私のレンタカーをケリー君に運転してもらいました。上のダムに行ってみたら、大雨の影響で丸太やごみがたくさん流されてきて貯まっていました。いつもフィッシングに使うジョンボートも水位が上がって水の中なので近づくこともできない状態でした。しばらく散策してから向こう側の山やダムが見られる展望ポイント(実際は小さな塔が経っていて遠くから測量して地面が動いていないか確認する目標点なのだそうです)に行ってみました。黄葉・紅葉がきれいで落ち葉を踏みしめて山中を歩くのは最高の気分でした。向こう側の山の上をカメラの30倍ズームで拡大してみたら、家と緑の庭が見えました。
途中牧場の横を通ったりして下のダムにも行ってみました。岩から生えている松の針葉の色がきれいでした。ケリー君が黄色の小さな花を見つけて、これは"Touch me not"(私に触らないで)という名前で、実を触ると黒い種が弾けて飛び出すのでそう呼ばれているのだと教えてくれました。
いつも寄るPoor Farner's Market (貧乏な農家の市場)という名前のお土産店(山の中の何でも屋)にも行きました。ケリー君は、観光客に物を買わせてお金を巻き上げるTourists' Trap(観光客の罠)と呼びますが、いろいろローカルなものもあって興味深いお店です。マージーさんはりんごを買っていましたが、私はちょうどお店で流れていたバンジョーに合わせて歌うカントリーソングが気に入って、同じような音楽のCDをケリー君に探してもらって1枚買いました($17)。その後は車のCDプレーヤーに挿入して、ケリー君が運転している間中聴いていました。やっぱりこういう音楽はこういう山の中で聴くと雰囲気があっているような気がしました。お店の前のガソリンスタンドの値段を見たら、レギュラーガソリンは1がろん(3.8リットル)で$1.929ですから、1ℓ当たりに換算すると63円で、安いのに驚きました。日本では確か130円か150円ぐらいしていたような気がします。
昨年見た山の上のカボチャ畑は、今年はトモロコシ畑になっていて、代わりに別の場所につれていってもらいました。一定の時期になったら除草剤をかけて茎と葉を枯らして、カボチャの実とへたの部分だけを残すようです。何万個あるのかわかりませんが、壮観でした。マージーさんは無人トラックで1個$1(120円)で売っている大きなカボチャを1個買って、掲示してある通り運転席の横の窓ガラスの隙間から$1を落としていました。

ケリー君がカボチャ畑を探して山の中を運転している時に、谷間の平地に囲いと門があって大勢の人が集まっていました。ちょうど昼ご飯を食べるところを探している時でもあったので、車に乗ったまま門に近づいてみたら、腰に拳銃を下げてライフルかショットガンが銃を持った男が話しかけてきました。何の催しか、食事はできるのかと訊いたら、家が火事で燃えて困っている女性を助けるチャリティをやっているので、中に入るには一人$10ずつ寄付をしてほしいと言われました。様子がわからないしちょっと異様な雰囲気なので、ただ通りすがりでランチが食べられるか確かめたかっただけだからと言って元の道に戻ろうとしたら、それなら中に食べるところがあるので入ってもいいと言われました。恐る恐る中に入って車を留めて、どこかに食べられるところがあるか探してみました。入口にここでは銃の保持は自由という掲示があった通り、ほとんどの人が銃を所持していて、車には南軍の軍旗を掲げていて、みるからにRed Neck(ならず者)の雰囲気の怪しげな(多分南部の超保守的な人たちの集まり)でした。すでに相当ビールも飲んでいる様子でしたので、そのうちに銃の打ち合いになりかねない雰囲気でした。建物には、銀行、ホテル、サルーン、倉庫(中を覗いたら、昔の大きな大砲や駅馬車のような乗り物が入っていました)などの看板が掲げてありましたが、一見西部劇にでてくる町と同じような雰囲気でした。ケリー君もこんなところにこんなものがあるとは知らなかったようで、誰をも刺激しないようにそっと立ち去ることにしました。今時南軍の軍旗を掲げて何を目指しているのか不思議な人たちの集まりでした。

今年は昨年よりもケリー君の奥さんのジェイニーさんの体調が悪く、ウォーカーを押しながらやっとかっと少し動ける程度になっていました。背中の神経に激痛がして、針にもいったが治らず、横になって寝ると痛いので椅子に斜めにもたれかかった寝ることが多いようです。痛み止めの薬のせいか、血圧の薬のせいか、足が言うことを聞かずに何回も転んで頭や顔に傷をつくっていました。ケリー君はミツバチの巣箱を5~6個持っていて、夢中になっていました。冬巣箱が熊に襲われないように、電気柵で囲ってありました。

ケリー君・ジェイニーさんと別れてモーテルに戻ってからまだ元気が残っていたので、アララット川沿いの遊歩道にもう一度ウォーキング・ジョギングに行ってきました。ちょうど飛行機雲が降りてくるのが見えました。携帯電話に着いている歩数計でみたら、山の中を歩いたのも含めて約16km(10マイル)になっていたので、マージーさんに話したら驚いていました。マージーさんは太り過ぎとarthritis(関節炎)で、短い距離を足を引きずりながらゆっくり歩くことしかできなくなってしまいました。私がウォーキングやジョギングに出かける時は、車の中や部屋の中で本を読んだりして待っていてくれます。
マージーさんにしても、フランク君の奥さんのジョアンさんにしても、ケリー君の奥さんのジェイニーさんにしても、ダウターマン先生の奥さん(奥さんの場合は85才ですから年齢的に止むを得ないのでしょうが)にしても、どうしてアメリカ人の女性はこんなに巨大に太って歩くこともできなくなってきている人が多いのか、何か共通の原因があるのか不思議な気がします。

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