2015年11月4日水曜日

羽田から5時間半ぐらい飛行機に乗って、ハノイの空港には予定より約30分早く午後12時半頃(日本とは時差があって、2時間早い)着きました。通関手続きをして出てくる場所が2ケ所あるので、私の名前を書いた紙を持っている人を5分ぐらい探したら見つかりました。メールで打ち合わせた通り、ホテルがさし向けた車の運転手です。途中田舎の町を通り過ぎて、賑やかな町の中にあるPullman Hanoiというりっぱなホテルに着きました。私の部屋は9階ですが、ものすごく広くてりっぱな部屋でした。窓のカーテンを開けて外を見ると、周りをゴチャゴチャした建物に囲まれていることがわかります。

しばらく時間があるので、カメラを持って1階に降りて通りを歩いてみました。以前、東南アジアのどこかの国で見たのと似た風景で、車とバスの間を無数のオートバイと少数の自転車と人が混在して動いています。オートバイにはヘルメットを被った人と被らない人がいて、中には小さい子供3人(前に一人、後ろに二人)を乗せて走っているお母さんもいます。マスクをして走っている人がたくさんいます。排気ガスのスモッグで空気がどんよりしていて、何年か前に中国の北京で感じたのと同様に大気汚染はひどい状況です。発展途上国の共通の現象かもしれません。古いものと新しいものが混在していて、自転車で花を積んで売っている女性や手にアクセサリーを一杯かかえて道行く人に売っている女性もいました。

部屋に戻って持参したノートパソコンを開いて、講演で使うスライドを見ていたら電話が鳴り、Crop Life Asia(アジア農薬工業会)のDr. Vasant Patilが到着したとの連絡でしたので、1階のロビーに降りて行きました。すでに他の予定したメンバーは集まって会議室で待っているとのことでしたので、部屋に戻ってノートパソコンを持って会議室に行きました。シンガポールのCrop Life Asiaからの3人に加えて、ベトナムで営業活動をしている主要メンバーの農薬企業の人たち(バイエル社、シンジェンタ社、デュポン社、ダウ社、アリスタ社、住友化学社、BASF社)が集まって、明日(5日)と明後日(6日)のワークショップのAgenda(プログラム)の内容と進行について再確認していました。私が送った英語のスライドは全部ベトナム語に翻訳されて、英語版とベトナム語版が一緒に冊子として印刷されていました。
自己紹介をして名刺交換をしてから、パワーポイントスライドを映写しながら意見交換をしましたが、私は農薬企業の代表でもCrop Life Asiaの代表でもなく、あくまで外部の学識経験者で日本の農業資材審議会委員として10年間農薬管理行政に関わった経験者としての参加であることを確認して了承してもらいました。Crop Life Asiaの人たちも現地のメンバーの人たちも、むしろその方が中立の科学的立場として見てもらえるので望ましいとのことでした。

一通り2日間の進行を確認した後で、ホテルのレストランでテーブルを囲んで夕食を食べ、その後何人かは再度会議室に戻って、私のスライドのタイプミスを訂正したり、2~3枚個別の話題ごとのまとめのスライドを追加したりの作業をしました。これで何とか準備はできましたので、後は明日の朝の朝食後、私がもう一度スライドと話す内容を確認して頭に入れて、8時半からのワークショップに臨むだけです。日本を出発する前に、以前JICAから農薬専門家としてベトナムに派遣されて何ヵ月間か現地を視察された千葉大学の先輩のI博士にお会いして農村の実情をお聞きしたいと思っていたのですが、結局時間がなくてできなかったことが残念です。今となっては仕方がありません。

11月21日に東京で開催予定の自然保護協会主催のシンポジウムの企画担当者からメールが届きましたが、今は対応する余裕がありませんので、明日のこちらでの仕事が終わってから返事を差し上げようと思っています。