2015年12月1日火曜日

新潟県十日町市珠川にあるあてま(当間)高原リゾートは、東京電力と鹿島建設と新潟県と市が出資して建設した500haを超す総合的リゾート施設で、地元住民に多くの雇用の場も提供していますが、リゾート内を流れる何本かの清流から発生するブユの刺咬被害に悩まされています。防除対策について相談を受けましたので、本年5月に現地視察をした上で、Bacillus thuringiensis aizawai(BTi)(製剤名ベクトバックWG)という生物農薬を中心とした防除対策案を作成して6月に提案しました。早速提案書に基づいて清流の1つにBTiを投入し、環境アセスメント会社に依頼して非標的生物に対する影響調査を実施したところ、ブユ幼虫密度を顕著に減少させ、非標的水生生物には影響がないことを確認するデータが得られました。すでに地元の環境監視委員会の了解も得られたとのことで、来年のブユ発生を抑えるべく本格的な対策を実施する計画のようです。
今日は関係者7名が松戸に来られ、これまでの経過の確認と、今後ブユによる抵抗性発達を防ぐために必要な対策などの打ち合わせをしました。現地を視察した時は、リゾート外でも地元住民が頭からネットを被って野外の作業をしていましたので、私の提案した対策によって地元全体のブユによる刺咬被害軽減に役立てばいいなと思っています。