2015年12月2日水曜日

Crop Life Asia(アジア農薬工業会)に、ハノイ、バンコック、ジャカルタに行って講演をした時にかかった経費のINVOICE(請求書)を領収書や航空券の半券などと一緒にEMS便で送りましたら、通常は支払い手続きに約2週間はかかると言われていたのが、すでに送金してくれたらしく、銀行から確認の電話がありました。INVOICEのコピーをFAXで銀行に送ってから、口座を確認してみたらすでに入金していました。
麻薬の取引など、犯罪に関わる国際的なお金のやりとりがないように監視するために、外国から送金がある場合は何のための送金か内容を確認をすることになっているようです。

樹木医の阿部 豊氏からのメールに添付してあったファイルをダウンロードしてみたら、千葉県の印旛沼の近くの甚平衛の渡しの枯死した松の大木の伐根の調査をした時の報告書と写真でした。調査には私も一部立ち会いました。
根にはクロカミキリの幼虫が多数寄生していましたが、幼虫が分布している付近の材片から分離した線虫はDNA診断でマツノザイセンチュウ陽性で、クロカミキリ成虫の第一気門と気管から分離した線虫も陽性という結果でした。従って、従来から知られているマツノマダラカミキリが当年枝・1年枝の樹皮を後食する時にマツノザイセンチュウが樹体内に侵入するという感染経路とは別に、マツノザイセンチュウを体内に保持したクロカミキリの雌成虫が地面に潜って根をかじって産卵する時に、マツノザイセンチュウが根から侵入するという感染経路も存在する可能性を示唆しています。これはまだ仮説ですので、実験的にマツ苗の根をクロカミキリ雌成虫にかじって産卵させて、実際にマツノザイセンチュウが根から侵入して感染・枯死が起こるかどうか証明することが必要です。
もし証明されれば、従来行われてきた防除対策としての殺虫剤の予防散布、殺線虫剤の樹幹注入、伐倒駆除に加えて、根系癒合を介してマツノザイセンチュウの隣接木への移動による感染拡大とクロカミキリ雌成虫の根への産卵に伴う侵入・感染に対する防除対策が必要だということになります。来年は浸透性殺線虫剤・殺虫剤を用いてその防除試験をやってみようと考えています。

ハノイに出かける直前に散髪してもらってからちょうど1ケ月経ちましたので、いつもの理容室に行って散髪をしてもらって、さっぱりしました。