2015年12月31日木曜日

朝日新聞の昨日(12月30日)付けの朝刊に、陸前高田の「奇跡」出雲大社へ と題した記事が載っていました。平成23年(2011年)3月11日の東日本大震災に伴って発生した大津波が岩手県陸前高田市に押し寄せ、多くの人的被害(1602人が死亡、200人以上が行方不明)をもたらしましたが、7万本あったと言われる高田松原の松も根こそぎ持っていかれた中で、1本だけが生き残って「奇跡の1本松」と呼ばれました。
その1本も、保全しようという努力もむなしく、2ケ月後の2011年5月に結局枯れてしまいました。地元で造園業を営む小山(おやま)芳弘さんが枯れる前に折れて地面に落ちた2本の枝から長さ4cmぐらいの穂木を7つ採って黒松に接ぎ木をして、結局その中の2本が育ったので、1mに育った1本を大津波から約5年後の来年3月19日に島根県の出雲大社の松の参道近くに植樹する、という記事でした。50年後、100年後の人々に大震災を忘れさせない存在になってほしいという願いが紹介されていました。奇跡の1本松のDNAを伝える子孫としては、これ以外にも岩手県森林総合研究所が育てた苗木が4本あるとのこと。
島根県出雲市については、2008年に松くい虫防除の薬剤散布によるとする子供の目のかゆみ騒動の影響で,因果関係を示す証拠は全くなかったにもかかわらずその後の薬剤散布が中止に追い込まれ、出雲大社の裏山の北山山系の松は 松くい虫の激害で消滅状態になってしまいました。
せっかく陸前高田で生き残った奇跡の1本松から育てた苗木を植樹するのですから、松くい虫からしっかり守ってりっぱに育ててもらいたいと思います。

老夫婦だけの我が家の大晦日(おおみそか)は、年越しそばの代わりの鍋焼き(なべやき)うどんと、元旦用に妻が作ったおせち料理の一部を食べて過ごしました。