2016年1月7日木曜日

相模中央化学研究所(相模中研)主催の第20回農薬相模セミナーの1日目が開催されました。平井憲次所長の「創立50周年を迎えて」と題した講演で、同研究所が1963年に設立されたということと、その後の歴史と、公益財団法人化された経緯がよくわかりました。
梅津憲次博士は「有機農業と食の安全-有機農産物の安全性を考える-」という演題で、メディアが作り上げたイメージと異なり有機農業は必ずしもより安全な食を提供するものではないということをいろいろな資料から提示しました。日本生協連合会の残留農薬データ集から抜粋して作成した無・減農薬栽培農産品と慣行栽培農産品の間に農薬の検出率にも検出濃度にも有意な差がないという表は、生協という信頼できる組織のデータだけに、その事実をもっと社会に知ってもらいたいと思いました。
相模中研の小林 修研究員の「世界の食糧生産を支える農耕地-その土壌劣化が危機」と題した講演は、世界の人口と穀物生産量の関係を概観した後、土壌劣化の原因とその対策について考察しました。特にアメリカで行われている不耕起栽培の紹介に対しては、昔から土壌学で習った団粒構造との関係について会場から質問が出されていました。
私は最近の経験から農薬に関する3つの話題について話をしましたが、特にアセアン3ケ国訪問から学んだ農薬管理行政に関する問題点については、日本の農薬工業会とCrop Life Asia(アジア農薬工業会)との間で交流・協力を促進したらどうかという提案がありました。

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