2016年1月8日金曜日

第20回農薬相模セミナーの2日目は先ず、平井憲次所長と小林 修研究員による「相模・創薬化学グループにおける農薬創薬研究」という演題で、主として除草剤ペントキサゾンの開発経緯に関する講演がありました。リード化合物創製のためのアプローチに始まり、活性の高さだけでなく選択性も考慮して最終的な化合物が選ばれるということと、他社に特許で抑えられないように誘導体の研究も製造工程の研究もするという話は、企業の研究の特徴を示していて私には面白いと思いました。それにしても、一つの農薬を発明して世の中に出すまでには大変な努力があるということがよくわかりました。
次いで、千葉県農林総合研究センターの山本幸洋博士による「千葉県農林総合研究センターにおける農薬に関する研究紹介」がありました。千葉県の生産量が日本一の落花生や日本ナシの紹介の他に、千葉県はサツマイモの産地ですので連作してブランド化するには土壌消毒が必要ですので、土壌灌注したくん蒸剤の大気への揮散抑制技術に関する研究の紹介がありました。6000年前には千葉県北部の現在陸地のところも海だったことが地下水に影響をしているという話は、ちょっと歴史的なロマンを感じました。
最後に、平井憲次所長が世界の農薬市場の紹介と、GM(遺伝子組換え)作物の栽培の現状について紹介してくれました。
私自身の講演はともかく、大変勉強になった有意義なセミナーでした。