2016年3月27日日曜日

天気予報が外れて雨は降りませんでしたので、昼休みに江戸川堤防や流水路(ふれあい松戸川)沿いを2時間20分ウォーキング/ジョギングをして運動してきました。
水門の近くではレンギョウの黄色い花が満開で、水門のゴム製仕切りパイプの上ではミシシッピアカミミガメ(幼体はミドリガメ)と思われるカメが甲羅干しをしていましたが、その中の1頭だけは甲羅の色が茶色でしたので、変異型なのかもしれません。
枯れた葦原の中でケン・ケーンというキジの独特の鳴き声がしましたが、姿は見えませんでした。ホーホケキョと鳴くウグイスの声も聞こえましたが、用心深いのか私の気配を感じてすぐ飛び去ってしまいました。可愛らし声で鳴くシジュウカラもいました。

先日島根県出雲市の市役所に寄って入手した、2008年の有人ヘリによるスミパインMC散布が中止に追い込まれた以降の松くい虫被害本数の情報を整理してみました。散布を中止して5年後の2013年時点で、約220万本あったマツの被害率は73%に達しています。先日現地を回って視察した感じでは、現在の被害率は恐らく90%を超えていて、生き残っているマツは散布中止前の10%以下ではないかと思われます。
2013年度に実施された被害木伐採跡地への植栽事業は、4.85haで24,990,000円すなわち約2,500万円かかっています。事業費負担は国が1/2の12,495,000円、県が2/10の4,998,000円、その他(多分出雲市?)が3/10の7,497,000円となっています。国の原資は国民が払う税金ですから、反農薬活動家グループの無責任な政治的活動の結果もたらされた損害の大きさに腹立たしさを感じます。

2008年の松林面積は1,361.94haでしたから、その73%は994.22haになり、それだけの面積の被害木を伐採して抵抗性アカマツと広葉樹の苗を植栽する事業費は、5,124,640,367円すなわち約51億円という試算になりました。そんな財源はどこにもありませんから、防除を中止したことで松くい虫被害で失われた松林を回復することはもはや不可能ということになります。
全国各地に現存する松林がこれ以上こういう悲惨な状況にならないように、私たちは科学的な事実を社会にきちんと発言していかなければならないのだと思います。

明日は樹木医のA氏と一緒に静岡県の三保の松原の松枯れの調査に出かけます。東京から静岡までは新幹線で行って、清水駅前でレンタカーを借りる予定です。最近伐採された根株とその周辺の根株の間に根系癒合が存在するかどうかを電気的に判定できないか、試験をする予定です。天気予報は曇りのち雨のようですが、雨でもやるつもりです。