2016年3月28日月曜日

清水駅には予定通り午前10時24分に着き、先に着いて待っていた樹木医のA氏と一緒にレンタカー店に行きました。昨夜ネットで駅周辺のレンタカー店を検索して予約しようとしたのですが、直前なのでほとんどどこも車が残っていなくて、「イツモレンタカー」清水駅前店というところだけが、私たちの希望の軽かコンパクトの車が少し残っているという情報でした。駅から徒歩10分くらいのところでしたが、驚いたことにガソリンスタンドが主業でそこに併設されていました。軽自動車を24時間借りても3200円程度で、どうしてそんなに安いのかと訊いてみたら、ガソリンスタンドと併設しているので新たな場所の確保が必要ないし、中古車を使っているからだとのことでした。カーナビが付いていないのがちょっと不便でしたが、清水区役所と三保の松原に行くだけの私たちの目的には十分でした。

清水区役所では、三保の松原の管理を所管している静岡市経済局農林水産部治山林道課の主幹二人が待っていてくれました。前からの顔なじみで、私たちの調査結果も送ってありましたので、平成27年(2015年)度の松枯れ状況の詳細な資料を準備しておいてくれました。三保の松原は富士山とセットで世界遺産に登録されているだけあって、実に細かに調査がされて、保全のための対策がとられていました。
平成26年(2014年)度は伐倒木数は209本だったのが、平成27年(2015年)度は227本と18本増加していましたが、その内訳は薬剤散布区の現年枯れが72本から90本に増加したことによるものでした。これが何故枯れたかは、潜在感染木(年越し枯れ)だった可能性もありますし、1本1本当該木を調べてみないと何とも言えません。

3代目の羽衣の松は、株元の周囲(根が展開している範囲)の土壌改良目的で、水圧穿孔作業をしていました。元々砂地の筈ですが、岩盤みたいな水や空気の通過を妨害している土相を除去することで根を活性化しようという作業のようです。
私たちが昨年も調査をした真崎灯台の横の三保グランドゴルフ場の周囲のマツは、その後(昨年9月以降)さらに何本か枯れて伐倒されていました。
私は根株と根株の間に電気が流れるかどうか持参したテスターで抵抗を測定し、樹木医のA氏はマツノザイセンチュウが寄生しているかどうかDNA診断をするために材片を採取しました。
結果がでるには少し時間がかかりますが、すでに静岡市(静岡県?)の検討委員会で実施しているいろいろな調査結果と合わせることで、三保の松原の貴重なマツの保全に役立つことを期待しています。三保グランドゴルフ場周囲の大半のマツには殺線虫剤の樹幹注入施工(平成28年3月3日)済のラベルが貼付されていましたので、今年の秋にこれらのマツが枯れるかどうかで感染経路について判断する追加の情報が得られる筈です。
天気予報が外れて雨が降らなかったことも味方して、収穫の多い日帰り調査旅行でした。