2016年3月16日水曜日

3月7日(月)は久し振りに埼玉県の浦和に出かけ、休会になった農産物安全技術専門委員会の代わりに、少数の元委員で埼玉県が取り組んでいる農産物の安全性確保のための試験研究プロジェクトについて説明を受け、意見交換・助言をしました。

帰りに県庁の前で法律事務所を開いている浦和高校時代の同級生(長年裁判官をした後、弁護士をしている)に電話をして、府中刑務所で服役している受刑者から身元引受人になってほしいというニュアンスの手紙が届いていることについて相談しました。身元引受人というのはどういう役割を果たすのかなど教えてもらいましたが、単に土浦拘置所に拘留中に接見した弁護士が私の名前を紹介しただけの関係だったら、身元引受人になることはリスクが大き過ぎるので自分としては薦められないというアドバイスでしたので、私もこの受刑者とは関わらないことに決めました。この受刑者にはお母さんやお姉さんがいるにもかかわらず、何故全く関係のない他人の私が時間を使う必要があるのか、やはり自分自身を説得できません。私が身元引受人になることで、土浦拘置所に面会に行った時は50才ぐらいに見えた彼の出所後の更生に役に立つのならという迷いもありますが・・。懲役3年という判決だったそうですので、少し早めに仮出所をしなくても、きちんと罪を償って更生してほしいと思います。

3月10日(木)は1年に1回の人間ドックを妻と一緒に受けました。胃の検査は妻がバリウムを飲むのが苦手なので、胃カメラでやってもらいました。
3月15日(火)は名古屋大学医学部の上山 純先生と一緒に、今年農薬の作業者ばく露調査を共同研究として実施する予定の防除業者を訪問して、協力してもらう内容などについて説明をし、打ち合わせをしてきました。

今年は日本農薬学会大会は島根大学(松江市)で17日~19日に開催されますが、前日に評議員会が開催され、私も学会顧問という立場ですので一日早く島根入りしました。ちょうどいい時間の飛行機の切符が満席でとれなかったこともあって、朝一番の便で出雲空港に8:30に着いてしまいました。高速バスで出雲市駅に行き、レンタカーを借りて出雲大社とそれにつながる北山山系の松枯れ状況を視察してきました。
2008年に有人ヘリで薬剤散布後に、子供たちの目のかゆみの訴えが出され、健康影響検討委員会では原因は特定されなかったにもかかわらず、薬剤の予防散布が中止に追い込まれた結果、松くい虫による激害が発生しました。その後の私たちの調査で、目のかゆみの本当の原因は子供たちの通学路に繁茂していたイネ科雑草による花粉症だったことが証明されましたが、出雲大社の裏山と北山山系のマツはほとんど枯れてしまいました。
あれから何年も経ちましたので、枯死したマツは幹と枝だけで白っぽい骸骨のように立っていました。ワイナリーの裏の辺りでは、枯死木を伐採してマツや広葉樹の苗の植樹がしてありましたが、鹿の食害を防ぐためにトウモロコシを原料とするネット(生分解性)が1本1本の苗に被せてあり、遠くからは雪が積もっているように見えました。表層の植生がなくなりましたので、土壌侵食が心配です。放置されている枯死木は、強風時の倒木も心配ですし、大雨時の土砂崩れも心配です。
帰りに出雲市役所の森林政策課に寄って、2008年以降の松くい虫被害本数の統計資料を入手してきました。予防散布中止前は2,223,319本あったマツが、中止後の3年間(2008年~210年)だけで943,473本(42%)枯れ、その後も毎年枯れ続け、2013年末までの調査で73%が枯れたということになっています。現在は恐らく90%以上枯れているのではと想像されます。
無責任な反農薬活動家グループのメディアを使った政治活動によって、どれだけ県民の貴重な財産が失われ、地元住民が危険にさらされているかを見ると、許せない思いです。