2016年5月18日水曜日

農薬工業会の総会講演会が日本橋茅場町の鉄鋼会館でありましたので、聴講してきました。講師は京都大学名誉教授・(公財)国際高等研究所フェローの木下冨雄先生で、演題は「科学情報はなぜ正しく受け取られないのか」でした。
講師略歴を見ますと、木下先生は1954年に京都大学文学部心理学専攻卒業とありましたので、現在73才の私よりちょうど10才ぐらい年長の筈です。京都大学教授、摂南大学教授・学長などを経て、現在は京都大学名誉教授と同時に(公財)国際高等研究所フェローとなっています。(公財)国際高等研究所というのは英語では何というのだろうと思ってネットで検索してみたら、International Institute for Advanced Studies となっていて、そうそうたる方々がスタッフの大変りっぱな組織でした。 http://www.iias.or.jp/ 

木下先生は社会心理学がご専門なだけあって、講演内容は自然科学出身者にとっては新鮮で、大変興味深いものでした。割り当てられた講演時間は1時間でしたので、後半は時間不足で少し駆け足になってしまいました。1時間半~2時間あれば、もっとじっくりお話しできた筈ですので残念でしたが、その後懇親会が予定されていましたので会場の都合上止むを得なかったのでしょう。
農薬については先生自身が門外漢で全く知識がないと言われた通り、反農薬活動をしている人たちがどういうグループかご存じない状態にもかかわらず、指摘されたことは適確でした。

講演会の後の懇親会では、農薬工業会長の挨拶、来賓代表として農水省消費安全局の農薬を所管している農産安全管理課長の挨拶、などがありました。いつの総会でも農薬を取り巻く環境は厳しいという指摘がされますが、農薬レビュー(登録審査)の国際化、農家が購入する農薬価格の不均一問題、農業生産資材費低減のためにジェネリック農薬制度導入の政治的圧力、それに関連して原体規格(安全性試験は原体ごとに行う)を撤廃するかどうか、などが当面する課題として言及されました。いずれも難しい課題ばかりですが、私はもう農業資材審議会会長も農薬分科会会長も退任しましたので、こういう難しい問題に直接関わる必要はありませんのでホッとしています。

東京に出かける前に、道場で空手の稽古を1時間しました。男子更衣室のモップ掛けとシャワー室のデッキブラシ掛けもしましたので、気分爽快になりました。