2016年7月4日月曜日

昨日入手したマツノマダラカミキリ4頭と、甚兵衛の森の前のコンビニの蛍光灯に飛来したクロカミキリ1頭を持参して大学の研究室に寄り、大学院生に追加で標本作成を依頼しました。これで前に依頼したクロカミキリ5頭と合わせて10頭になりますので、学生にとってはアルバイト料1万円(1頭千円と約束しましたので)になります。

昨日甚兵衛の森の調査に一緒に参加した樹木医の阿部 豊氏からメール連絡があり、持ち帰ったマツの根の産卵痕かと思われた多数の1mm以下の小さな穴にはクロカミキリの卵は存在しなかったので、産卵痕ではない可能性が高いという報告でした。恐らくDNA診断もする筈ですので、マツノザイセンチュウ陰性でしたら、小さな装置内での接種試験は失敗だったということになります。

その後道場に寄って、男子更衣室のモップ掛けとシャワー室のデッキブラシ掛けをしました。大学の健康診断で道場が使えなかったのでしばらく行かなかったら、私しか掃除をしないので酷い状態でした。国立大学は財政が厳しくて園芸学部では教員の年間研究費が一人10万円しか支給できない状態ですから、臨時職員として雇用している清掃担当者に体育館の更衣室やシャワー室の清掃までやってもらう予算がありません。体育館を使う学生が自主的に掃除をしてくれればいいのでしょうが、学生は学生で掃除をするために授業料を払って大学に来ているわけではないという言い分で、誰もやろうとはしません。誰か教員がリーダーシップをとって、そうではない、自分たちで使うところだから自分たちで衛生的にきれいに保とうじゃないかと呼びかければ、同調して協力してくれる学生はたくさんいるのですが・・。
プールも同じで、私が現職だった時は学生に呼びかけてボランティアを募って夏が来る前にプールの大掃除をして、1日1回は落ち葉を除去してカルキを必要量投入して水質を管理して、水泳プールとして皆が泳げるようにしていました。今はそういうことをする教員が一人もいないので、水が全く入っていない(ごみだけが入っている)状態が何年も続いています。

更衣室とシャワー室の掃除の後で水元公園Cブロックにウォーキングに行きましたが、空が暗くなって涼しい風が吹いて雷がゴロゴロ鳴って夕立が来そうな空模様になりましたので、1時間半で帰ってきました。

明後日6日(水)の有機JAS認証機関の検査員の研修会では、農薬取締法についての解説に加えて特定農薬についても話してほしいと要請されていますので、何枚かのスライドを追加しました。農水省が役所の視点だけで急に特定農薬という考えを出してきた当時(2002年~2003年)、私は農業資材審議会農薬分科会長だっただけでなく、農水省側の特定農薬小委員会の座長もしていましたので、ずいぶん苦労しました。当時を思い出しながらスライドを準備しました。
木酢液については、林野庁が特定農薬に指定することを強く望んでいましたし、関係業界として木酢液工業会というのも存在して、両方が私にロビー活動にきていました。私の研究室では市販(国産、輸入品)の木酢液を多数買い集めてきたり、千葉県大多喜の炭焼き小屋に行って煙の温度別に木酢液を採取したりして、生物活性を検定したり、含まれる成分分析をしたり、変異原性試験をしたりしました。その結果、どうしても特定農薬には指定できないという結論になり、ずい分関係者から恨まれて嫌がらせを受けました。
ニームオイルについても、同様の経験をしました。
今はもうこういう問題で頭を使う必要がないので気が楽ですが、当時の事を知らない今の行政がもし間違った政策に進むようだったら、当時の事情を一番よく知っている立場の人間として私が発言しなければならないという意識だけは残っています。