2016年8月30日火曜日

先日報道された高畑裕太君の強姦致傷事件について、母親の高畑淳子さんが取材会見をしたことを批判する記事が目に留まりました。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogawatamaka/20160829-00061632/
報道に接して、私も市橋達也君が起こした事件とちょっと似ているところが気になっていました。女優業をしている母親としては、どうしても一度は取材会見をせざるを得なかったのでしょう。リンゼイさんは亡くなってしまったのに対して、今回の事件の被害者は生きているという点で罪の重さに大きな違いはありますが、親としては息子の育て方を間違ったと謝罪するしかなかったのだと思います。その上で、親子の関係は続く(罪を犯した息子の更生を手助けする)と言いたかったのでしょう。被害者への謝罪や配慮が足りないという批判・非難もわかりますが、本来、すでに成人になっている息子の責任を親がどうとるのかという議論もあるような気がします。
私は市橋達也君の親ではありませんが、千葉大学時代に空手部で指導をした部員の一人だったということと、私が勤務していた千葉大学の元学生だったという関係で、「適正な裁判を支援する会」を立ち上げて支援活動をしたことに対して、強姦殺人犯をかばうとはとんでもないという批判・非難を一部の人から受けました。市橋君の犯した罪をかばったことは一度もありませんが、私と関係のあった元学生が地獄の底に落ちた時に、引っ張り上げるために手を差し伸べたことは元教師として当然だと今でも思っています。
被害者はこれから長い時間苦しみをかかえて生きていかなければならないのでしょうが、大事なことは、どんなことになっても「息子と親子の関係は続く」と言った母親を社会が寄ってたかって責めるのではなく、こういう犯罪が起こらないようにするには何が必要か、事件をあらゆる角度から検証して学ぶべき教訓を見つけることではないかと思います。

午前中に松枯れ防除実践講座のスライドを見直してから宅ファイル便で発送しました。
一度南下してUターンして北上してきた台風10号は、千葉県の東端の銚子市の犬吠崎沖をかすめただけで、さらに北上して東北の方に行ってしまいました。雨が止んだ合間にと思って、車で大網白里市砂田(いさごだ)の水田を見に行きました。千葉大学現職の時に、何年間も棚田を借りて学生諸君と一緒に農薬の生態影響を調査したところです。
早場米の産地ですので半分以上の水田はすでに稲刈りが済んでいて、中には切り株からひこばえが生えている田もありました。驚いたことに一部の水田は転作してダイズ畑になっていました。
棚田のあったところに上ってみたら、昔と同じでニホンアカガエルがピョンピョン出てきました。地元のリーダーのH氏には会えませんでしたが(山の上の畑に出ていて)、庭の片隅の壊れかかった物置や、裏庭の竹林や、見覚えのある景色が残っていました。草むらの中にサクランボのような綺麗な赤い実をつけた木がありましたが、多分野鳥が実を食べて種を運んできたのでしょう。
この辺り一帯は、10月にアメリカからFrank Peoples君が来た時に日本の原風景の一つとして是非見せたいところです。