2016年9月23日金曜日

青森県林政課の担当者から、八戸市種差海岸の淀の松原で私が見つけた1本の枯死進行中のマツの正確な場所を知らせてほしいとのことでしたので、案内板に印を付けて送ったところ、今日すでに現地に行って材片を採取してきて1検体(2反復診断)のDNA診断をしたところ陰性だったとのメール連絡がありました。
さすが行動が早く、青森県には松くい虫は絶対に侵入させないぞという意気込みが伝わってきます。

先ず間違いはない筈ですので、私があらためて出かけて材片を採取してきて再確認をする必要性はないと思います。ただちょっと心配なのは、私たちの今までの経験では、1本の同じマツの木から採取した材片でも線虫の分布に振れがあり、材片を採取した部位によってDNA診断で陽性を示す場合と陰性を示す場合がありました。そういう意味で、今日届いた報告で検査をしたのが1検体(通常は小さな材片1枚または半分を使う)とありましたのがちょっと気になりました。
お金と時間の無駄かもしれませんが、天気予報では晴れの確率が高い来週早々の26日(月)に念のために私も再度現地を訪問して枯死進行中木の枝や幹や根など5~10ケ所ぐらいから十分量(各約10g)の材片を採取してこようと思います。なるべく見落とさないように、先ずベールマン法で材片10g相当分から生きている線虫を分離して密度を計測し、材片を直接検体としてではなく、なるべく見落とさないように分離した線虫を検体としてDNA診断をしてマツノザイセンチュウ陽性かどうか調べてみようと思っています。
それでも検出されなければ、このマツは松くい虫ではない何か別の原因で枯死進行中ということになり、やはり青森県では太平洋側の松林にはまだ松くい虫は侵入していないということが自信を持って再確認できのではと思います。

明日は千葉県成田市の甚兵衛の森の調査です。午前9時に現地集合ですので、私は自宅を朝7時頃車で出発します。明日の調査は、周辺地域からマツノザイセンチュウに感染したマツノマダラカミキリが甚兵衛の森に飛来してくるのを防ぐために、周辺地域のマツの分布と松くい虫被害木の分布を調べるのが主要目的です。樹木医の石橋 亨氏が地図上に甚兵衛の森を中心に半径4kmまで同心円を描いた資料を準備してくれました。また個人の家にマツがある場合に配布して理解と協力を求めるためのポスターと調査票を吉岡賢人君が準備してくれました。郷土の誇りの樹齢約300年の貴重なマツが何本も残っている甚兵衛の森を守るために、地元の樹木医の人たちが知恵を出し合ってこうして努力をしているのは素晴らしいことだと思います。