2016年9月14日水曜日

公益財団法人報農会 http://www.honokai.org/ というのは、昔日本特殊農薬株式会社(その後日本バイエルアグロケムを経て、現在はバイエルクロップサイエンス株式会社)という会社がパラチオン(商品名ホリドール)という有機リン殺虫剤を導入して多大の収益を挙げたので、その一部を寄付して植物保護分野の学生の育英費や大学教員や研究者の国際学会出席旅費の援助などを行うことを目的に設立されました。私自身も名古屋大学大学院生時代に奨学金(当時は日本育英会の奨学金に近い額)をいただいて、そのお蔭で大学院生活を勉学に専念できました。
報農会は基金の利子で運営されてきましたが、昨今の超低利子の時代に入って運営が厳しくなりましたので、昔奨学金をもらった者たちが報農後援会を立ち上げて集めた会費を報農会に寄付をして少しでも恩返しをしようという活動をしています。

報農会自体も、育英費支給や海外渡航旅費の援助活動に加えて、年に1回植物保護ハイビジョンと称するシンポジウムを開催して社会貢献する活動もしています。
今日はその第31回目のシンポジウムが東京の王子駅前の「北とぴあ」というところで開催されました。5人の講師が講演をし、いずれも大変興味深い内容で、勉強になりました。

毎年、シンポジウムに続いて、植物保護分野で大きな貢献をした方々に功労賞を授与する活動もしていて、今年は3人の方々が選ばれて表彰されました。業績の紹介で、昔はモモもリンゴも害虫防除の袋掛けが大変な重労働で、何とか無袋栽培できる技術を開発することが夢だったのが、発生予察と当時新しく開発された農薬を組み合わせることで無袋栽培が実現できたとのことでした。