2016年11月3日木曜日

西千葉キャンパスでの千葉大学祭(11月3日~6日)の初日、平成28年度千葉大学校友会総会がけやき会館大ホールであり、私にも名誉教授として案内が届きましたので出席してきました。
総会は午後2時からでしたので、少し早めに行って1時間ぐらい大学内を歩いていくつかの企画を見て回りました。自分自身の50数年前の姿を思い出しました。

総会では徳久剛史学長の千葉大学の現状に関する報告に続いて議事があり、その後ホームカミングデーと称した企画として、並木明夫准教授による「人を超える高速・高機能ロボット」と題した講演と、法政経学部卒業生の落語家桂 恩狸(おんり)による落語がありました。

学長報告によると、千葉大学は1949年に発足し、現在は10学部・11研究科(大学院)から構成されていて、職員数3,402名、学部学生数10,702名、大学院生数3,461名だそうです。2004年の法人化後、文部科学省は国立大学を重点支援①(地域貢献)55校、重点支援②(特定分野で卓越)15校、重点支援③(全学分野で卓越)16校に分け、それぞれの目的に沿って機能を強化するという政策をとっています。千葉大学は③を選択して、認められ、全学的に世界で卓越した教育研究・社会実装(この言葉は私には何のことかわかりませんが)を推進しているのだそうです。
国から支給される年間予算は、私が現職だった昔は教官研究費として教授一人当たり300万円、助教授一人当たり170万円、助手一人当たり30万だったと記憶しています。今は使途を限定せずに運営交付金として大学に一括支給されていますが、毎年1.3%ずつ減額されているので、承継(英語のtenureに相当する)教員と呼ばれる常勤永久職の教員定員を毎年削減しなければならず、その手当(外部資金で非常勤教員や特任教員を雇用して補充)が大変なようです。実際には、園芸学部では教員が一人定年退職すると3年間ぐらいは人事を凍結してその分野での教員の補充はしていないようで、あちこちの研究室(分野)で教育・研究の停滞が起こっています。教員の年間研究費も、教授・准教授・助教にかかわらず一人当たり10万円程度というあきれてものが言えない馬鹿げたことが起こっています。大学執行部(理事会)の責任というよりも、文部科学省の役人(官僚)の大失態だと思います。こんな状態を早く何とか変えないと、そのつけが何年か何十年か後に回ってくる筈です。
少し明るい報告は、千葉大学は海外派遣学生数で4年連続国立大学1位(平成26年度は596名)、入試志願者数が平成28年度国立大学1位になったということでした。

そういう統計は別として、多くの若者が模擬店(屋台)を開いて大きな声で客引きをしたり、サークル活動(コンサートや演武など)をしたり、理学部の学生のように研究発表やポスター展示をしている元気な姿を見るのは、いいものです。若者には若者らしく大いに青春を謳歌してもらいたいと思います。