2016年11月14日月曜日

学会終了後、上田駅前(お城口側)のホテルに一泊し、朝食後8時半に上田市役所農林部森林整備課に電話をしました。自己紹介をしてから、市役所を訪問して松くい虫の被害状況について情報収集したい旨伝えました。私は以前長野県で何回か講演をしたことがありますので、担当者は私の事をご存じだったらしく、急な連絡だったにもかかわらず10時頃からなら会えるとのことでした。
10時まで少し時間がありましたので、上田駅の反対口(温泉口側)に行って千曲川を見てきました。千曲川を挟んで両側とも低い山(アルプスのようには高くない)がありますが、紅葉真っ盛りでした。

約束通りちょうど10時に上田市役所に到着しました。農林部のフロアにはチェーンソーで丸太から削った置物が飾ってあり、いかにも森林整備課らしかったので全部写真を撮ってきました。
今の時期は広葉樹の紅葉/黄葉と重なって、車を運転しながら遠くから眺めても松くい虫被害木かどうか見分けがつき難いのではという心配に対して、担当者3人が役所の車で現場を案内してくれるということになりました。方向音痴の私には上田市のどちらの方角に車が走ったのか覚えていませんが、東山という地区の山を遠くから見ると、紅葉とは別に山の中腹がぼやけて見えるところがあり、マツが枯れて何年か経った状況ということがよくわかりました。もう一度新緑の頃に来れば、もっとはっきり区別がつく筈です。

その後、鴻の巣(こうのす)という太古の昔は海の底だったところが隆起して崖になったところに連れて行ってくれました。
http://ogino.ninpou.jp/kohnosu/
周りは松山ですが、やはり崖の上のマツはごっそり枯れていました。伐倒してある枯死マツの丸太をチェックしたら、マツノマダラカミキリの穿入孔とフラス(木屑と虫糞の混合物)と羽化脱出口がありました。
マツは土がほとんどない海の中の岩山や、こんな山の中の他の植物が生育できない崖にも生えるのですから、たいしたものです。

上田市では何年か前にヘリコプターによる薬剤散布が中止に追い込まれて、もっと酷い状況かと予想していましたが、スパウターを使って地上散布をしていることもあってかりっぱなマツの木が結構たくさん生き延びているのに驚くとともに嬉しくなりました。松茸の存在(経済価値、観光資源)が松林保全に貢献しているのかもしれないと思いました。
上田市役所の担当者の方々には、事前の予約なしの当日訪問だったにもかかわらず丁寧に対応していただき、感謝です。