2016年12月20日火曜日

自宅を朝7時半に出発し、自分で車を運転して房総半島南端の平砂浦に行きました。県道南安房公園線(通称房総フラワーライン)に沿って海側には、昭和24年から始まったマツの植樹によって実に見事な松林が育成されていましたが、元テレビジャーナリストだった堂本暁子千葉県知事の時代の2008年に、それまで実施されていた松くい虫防除の有人ヘリコプターによるスミパインMC(有効成分フェニトロチオン)散布が中止されました。それ以降急激に松枯れが進行し、4年後の2012年頃にはほぼ全滅に近い状態になりました。
2014年頃からあちこちから予算を獲得して、ボランティアも利用して(私自身も植樹祭に参加しました)植樹事業が再開されましたが、多分造林学や植生管理学の専門家の助言も受けて、竹垣で囲った各区画にマツ苗を4列×4行=16本と広葉樹のトベラ、グミ、マサキの苗を16本(平均5.3本ずつ)が混植されました。

50年~100年後の子孫にりっぱな海岸保安林を残せるかどうか気になりますので、近くに行く機会がある度に立ち寄って様子を見ています。いつでしたか、前回立ち寄った時には樹種によって苗の生育状態にずい分違いがあるような印象を受けましたので、林学は私の専門ではありませんが、今日は館山カントリークラブ(CC)の横の館山フラワーパークの前の道路から入って、南側(道路に近い区域)と、北側(海に近い区域)と、その中間の地域別に、各11区画ごとに生存している苗数を調査してみました。

1区画32本×33区画=1056本の苗が2014年から植樹された中で、2年後の2016年に生育している苗の生存率(%)は56.4%でしたが、生存率は樹種によって異なり、マツ78.8%>トベラ44.6%>グミ34.3%>マサキ24.0%の順でした。
マツはやはり潮害に強い樹種だけあってもっとも高い生存率を示しました。樹高を測定してこなっかったのは失敗でしたが、マツでも区域によって生育状況に違いがあり、北側区域>南側区域>中間区域の順に生育がよいように見えました。地形的に北側区域の北側には風除けになる植生があり、海に近い南側には砂山の防潮堤があって風除けになっているせいかもしれません。

植樹して2年後には苗の生存率が50%以下になるような広葉樹でも、混植する意味があるのかどうか、いつか林学の専門家に訊いてみたいと思いました。
それにしても、昭和24年(1949年)から60年もかけて育成してきた県民の貴重な財産の海岸保安林が、知事の間違った政治的判断で消滅し、県民の莫大な税金と年月と労力が灰燼に帰したことに対する評価も反省もされず、誰も責任をとらないというのは大きな問題だなと思います。

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