2016年12月10日土曜日

木材保存剤(防蟻・防虫・防腐剤等)の認定制度は、申請者(企業)が公益社団法人日本木材保存剤協会、公益社団法人日本シロアリ対策協会の片方又は両方に申請をし、両協会とも木材保存剤等審査事務局(以前は木材保存剤審査機関)に審査を依頼し、審査事務局は公益財団法人日本住宅・木材技術センター内の木材保存剤等性能審査委員会に科学的・客観的な審査を委任するという手順になっています。審査委員会には2つの部会が設置されていて、性能審査部会は申請資材が所定の性能(最低5年間の防蟻・防虫・防腐効果)を有するかどうかを提出された試験データに基づいて判断します。安全性部会(現在は私が主査)は申請資材が安全かどうかを提出された資料(試験データと説明資料)に基づいて判断しています。

私が現在の審査委員会の前身の木材保存剤審査機関(任意団体?)の安全性部会の委員に就任してから、木材保存剤が施工される現場である住宅の床下は狭い半密閉空間であるということと、床上は住民の居住空間であるということを重要視し、施工された薬剤の床下及び床上空間における気中濃度の推移を測定してデータを提出してもらうようにしました。これは、施工作業者と住民の健康に対する安全性を確保するためでした。
「床下処理は土壌処理時の床下及び床上空間における有効成分の気中濃度推移測定データ」

木材保存剤に使われる有効成分の中には、農薬の殺虫剤・殺菌剤と共通のものが多くあります。農薬は作物保護に使われますので、最終的に作物残留農薬としてヒトの口から摂取される可能性がありますので、安全性に関するあらゆる角度からの厳しい検討が必要なことは言うまでもありません。一方、木材保存剤が使われる住宅についても本来は乳幼児、妊婦さん、高齢者を含めてヒトが居住している空間ですから、安全性に関してあらゆる角度からの厳しい検討が必要なことは同じ筈です。
受講者から寄せられた質問の1つは、住宅の床下に現場施工する木材保存剤の場合はそうであろうが、工場で加圧注入する場合や、浸漬処理する場合や、合板製作の接着剤に添加する場合の安全性について何か規定なりどういう試験をすればよいかのマニュアルなりがありますか、というものでした。
作業者暴露については実際に作業をしている工場内で気中濃度を測定し、日本産業衛生学会が設定している作業環境における気中濃度許容値(成人が1日8時間、週5日作業すると仮定)を超えないように管理すればよいのでしょうが、木材保存剤を加圧注入された木材や接着剤に添加された合板を使って建てられた住宅に居住するヒトに対する安全性の審査は、保存剤自体の性質や申請者が独自に実施した試験データに基づいて行われています。
別の質問で、居住空間の気中濃度の測定はどこで測定してもらえるかというものでした。分析だけ受注してやっている会社はたくさんありますが、現場に出てサンプリング(試料の採取)と分析の両方をやってくれるところはそんなに多くはないのかもしれません。とりあえず以前私自身がお付き合いのあった信用のできる会社を1社紹介しておきました。


今日も午後から江戸川堤防を上流に向かってウォーキング/ジョギングし、2時間40分運動してきました。上空は抜けるような青空で、水面もそれを映して青色でした。河川敷で野球をしている少年たちが、風が強かったので乗ってきた自転車を全員土手に倒して置いてありました。西の地平線には雲があって富士山はずっと見えなかったのですが、夕方になったらJR常磐線を跨ぐ陸橋の上からシルエットが見えました。
帰路の農家の門前でLサイズのダイコンを1本150円で直販していましたので、妻に電話をしたらほしいと言うので1本買って帰りました。りっぱな大根でした。近所のスーパーの野菜売り場では、もっと貧弱な大根が190円ぐらいで売っているとのことでした。