2016年12月18日日曜日

農薬学会大会で発表予定の講演要旨原稿を見直して、字数などの調整をして、共同発表者全員に送りました。訂正加筆をしてもらって、修正後提出するつもりです。

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(原稿)   松くい虫防除剤の地上散布作業者に対する研修の必要性:千葉
         県、長野県、群馬県で目撃された不適切散布の事例
○本山直樹,吉岡賢人,阿部 豊, 田畑勝洋千葉大学,
 吉岡緑地, NPO松くい虫, 岐阜国際園アカデ) 

【目的】松くい虫防除対策の一つとして、マツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリ成虫が羽化脱出してマツの新梢部を後食する時期に殺虫剤散布が行われている。対象地域の状況に応じて、有人ヘリや無人ヘリによる上空からの散布の他にスパウター(車載大型噴霧器)や鉄砲ノズルによる地上からの散布が用いられている。演者らは、松くい虫防除で散布された薬剤の飛散調査と周辺住民への健康影響評価を長年に亘って全国各地で行ってきたが、特に地上散布において不適切な散布事例を何回か目撃してきた。それらのいくつかを紹介し、問題点を指摘する。
【方法】千葉県の事例:推定樹齢約300年の老マツ8本とその他の松が植栽されている成田市甚兵衛の森(約0.5ha)では、20166月に地元の造園業者がスミパイン乳剤(有効成分フェニトロチオン80%)を鉄砲ノズルで3回散布した。演者らは作業者と傍観者の経皮暴露及び吸入暴露を測定する機会に散布の様子を観察した。長野県の事例:20106月に駒ケ根市のA工場周囲の松林(約2.6ha)に作業を下請けした地元の造園業者がスパウターでマツグリーン液剤2(有効成分アセタミプリド2%)を散布する様子を観察した。群馬県の事例:20046月に群馬県太田市金山自然公園(約19.5ha)の松林にスパウターと鉄砲ノズルでマツグリーン液剤2が散布された機会に周辺への飛散調査を実施するとともに散布する様子を観察した。
【結果および考察】(1)甚兵衛の森における散布では、散布された薬液が目標の樹冠部に届かないという技術的問題の他に、農薬散布を周辺住民に周知させる掲示はなく、散布区域への立ち入り規制もなく、作業は二人で行われたが二人とも散布最中同じ側に立っていたので反対側から林内に立ち入る住民への監視はなかった。残液処分方法にも問題があった。(2)駒ケ根市でのスパウターによる散布では、作業者に傍観者への暴露を避ける配慮がなく、視察・監督していた元受業者の社員がずぶ濡れに薬液を被るという事故があった。(3)太田市での散布では、鉄砲ノズルで高木に散布していた作業者は、自分自身が降下する霧状の薬液に暴露されながら防護メガネも防護マスクも着用していなかった。目撃された公共緑地におけるこれらの不適切な散布事例は、現場で実際に地上散布に従事している防除業者の農薬に関する理解不足と安全管理の意識欠如に起因すると思われる。不適切散布は、不十分な防除効果だけでなく、周辺住民を危険にさらし、不安感と農薬散布自体に対する不信感を招く。今後の対策として、防除業者に対する研修制度やライセンス制度導入の必要性を提言する。

Training necessity for pesticide applicators conducting ground spray in pine sawyer control: Inappropriate practices observed in Chiba, Nagano, and Gunma prefectures
○Naoki MOTOYAMA (Chiba Univ.), Kento YOSHIOKA (Yoshioka Ryokuchi), Yutaka ABE (NPO Matsukuimushi), Katsuhiro TABATA (Gifu Inter. Acad. Hort.)
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少し時間の余裕ができたことと、今日は日曜だということで、昼休みに運動に出かけ、江戸川上流に向かって右岸の堤防を3時間20分ウォーキング/ジョギングをしてきました。昨日と順番を逆にして、最後に堤防から河川敷に下りるスロープを走って上り下りする坂道トレーニングを5往復しましたが、昨日と違ってそれほど息は苦しくなりませんでした。ウォーミングアップの効果か、少しずつ心肺機能も向上してきているのか・・。

園芸学部構内の小運動場にはカラスの群れがいて何かをつついていました。写真を撮ってみたらハシボソ(嘴細)ガラスでした。園芸学部構内にいるカラスはほとんどがハシブト(嘴太)ガラスだった筈ですが、いつの間にか優先種が置き換わったのかもしれません。カラスの社会ではハシブトガラスとハシボソガラスは同じ生息域に共存できるのか、それとも片方が侵入してくるともう片方はテリトリーを追い出されるのか、多分カラスの生態や行動の研究者にはすでに分かっていることでしょうが、興味が湧きます。
JR常磐線の陸橋から見る戸定ケ丘の斜面林は、落葉広葉樹の葉が落ちて、秋景色から冬景色に変わりました。
江戸川を横切る常磐新線(つくばエキスプレス)の陸橋の近くの河川敷のオギ(荻)原の中で、ケンケーンというキジ(雉)の甲高い鳴き声がしたのでよく見たら、オギ原の中の小さな木に今まで見たことがない鳥が留まっていました。持参していた愛用のデジタルカメラを望遠にして写真を1~2枚撮ったら飛び去ってしまいました。タカの仲間のチュウヒか、ノスリか、サシバか、オオタカの中でオオタカに一番似ている(喉が白い、喉に黒い線はない、虹彩は黄色、白っぽい眉斑があるという特徴から)ような気がしますが、腹部側の写真がないのでもしかしたら間違っているかもしれません。