2017年2月17日金曜日

2年前の最終選考会は東京駅前の丸の内北口ビル内のバイエルクロップサイエンス株式会社の本社の会議室で行われましたが、今年は会議室の都合がつかなかったらしく、近くのサピアタワー内にあるステーションコンファレンス東京4Fの貸し会議室で行われました。私は大学教員でしたのでこういうことには疎いのですが、東京駅周辺は見上げると首が痛くなるような高層ビルが建ち並び、その中に会議室貸し出しを専門にするビジネスもあるようです。

選考会の前に控室で全員で一緒に食事をして雑談を交わしましたので、少しは応募者の緊張をほぐすのに役立ったかもしれません。
昼食後、選考会は別室で行われ、選考員はプリンツ社長(Dr. Harald Printz)の他にバイエル社の役員(部長)4人と、外部選考員として呼ばれた私の6人でした。全員がそろったところで、先ずプリンツ社長がプレゼンテーションをし、Feeding a Hungry Planet という大きなテーマの下に世界の農業を取り巻く状況について基調講演をしました。
その後応募者は控室に戻り、一人ずつ選考員の前で10分間の英語でのプレゼンテーションをし、10分間の質疑応答があり、応募者を退席させて審査員だけで10分間の評価のディスカッションをしました。
5人の応募者の個々の選考が終わってから総合評価の時間が30分ぐらいとってありましたが、全員の意見が簡単に一致して2名が選ばれました。世界各国で同様の選考が行われていて、合計100名の若者を選ぶことになっています。それまで選考結果は公表しないようにと言われています。

応募をした若者たちはいずれもりっぱでした。日本人にとっては英語で小論文を書いて、英語でプレゼンテーションをして、英語で質疑応答をするというのは大変なことだと思います。大学受験勉強が中心の現行の日本の教育制度の中で、自分の意見を論理立てて人の前で話す訓練はされていませんので、勇気をもって応募しただけでもりっぱだと思います。残念ながら今回選ばれなかった人も含めて、これらの応募者たちは今後も目標に向かってチャレンジして前向きの人生を生きていってほしいと思います。
今回選ばれなかった応募者には何が足りなかったのか、選ばれた応募者には何が評価されたのか、一人一人話してあげられないことは残念ですが、仕方がありません。

それにしても、2年に1回、世界中から選ばれた100人の若者に、何十年か後に活躍する人材に育つ機会を与える世界若者農業サミットはお世辞ではなく本当に素晴らしい事業だと思います。
選考会終了後は、近くの別のビルに移動して選考員全員で会食をしました。