2017年2月18日土曜日

今日は午後から松園会(千葉大学出身者で植物防疫に関わっている人たちの同窓会) http://shouenkai.blog.fc2.com/ が園芸学部構内の百周年記念戸定が丘ホールで開催予定でしたので、その前に江戸川堤防に行って坂道トレーニングを3往復し、ウォーキング/ジョギングを1時間してきました。

松園会の柳澤大介会長(デュポンファームソリューション株式会社勤務)と冨岡孝文事務局長(三井化学アグロ株式会社勤務)の開会の挨拶では、松園会の発足の経緯とその後の活動の歴史の説明がありました。私も正確な年数は忘れていましたが、平成3年(1991年)に私と同じ研究室で1年先輩の大川義清さんが農林水産省の植物防疫課長に就任したのをきっかけに、農薬業界に勤務している園芸学部の同窓生が集まって交流する目的で会が組織され、第1回が1992年に霞ヶ関の東海クラブで開催されたようです。今年は第22回になりますが、発足25周年になるとのことでした。
歴代の幹事の中には既に亡くなった人もいますし、会員も千葉大学の他学部(薬学など)卒業生や国や県の試験研究機関勤務者も含むようになり、その時々のいろいろなテーマについての勉強会活動をするように変わってきました。

今日の講師は1971年に園芸学部の農業経済学研究室(鈴木忠和教授)を卒業し、JA全農に40年間勤務して最後は代表専務理事というトップのポジションを務めた加藤一郎氏で、「農村地域の活性化に向けての考察-商系、系統の区分の時代は終わった」という演題の講演でした。加藤氏は、長年日本農業の現場に関わってきた豊富な経験に基づいて、実に素晴らしい内容の講演をしました。
1. 我が国の社会・経済における農業の位置付け
(1)環境の時代、循環型で持続可能な社会経済政策を
(2)社会的共通資本としての農業
(3)トマ・ピケティの「21世紀の資本」をどう読むか
2. 我が国は国家戦略として農業を位置づけられるか
(1)国家戦略として農業を位置づけた国
 [米国] [フランス]
3. 農村地域の活性化に向けて
社会的共通資本と市場経済を、バランスをとって展開すること
(1)日本農業の現状
(2)農政の考え方を変える必要
(3)私の舌禍事件
(4)日本農業の将来方向
(5)商系、系統の区分の時代は終わった
4. 千葉大学の現状と戸定会からのお願い
加藤氏は現在千葉大学園芸学部全体の同窓会である戸定(とじょう)会の会長にも就いているので、最後の話題は大学の置かれている危機的状況の説明と会員からの支援の要請でした。

安倍内閣が日本農業の再生と全農潰し(解体)が一体であるかのような攻撃をしている中で、参加者は全員同窓生だという安心感で、かなり過激な農水省批判も展開しました。1時間半では不十分で、もっと十分な時間を提供してじっくり聴きたい講演でした。懇親会では多分私が参加者の中の最高齢ということもあって乾杯の音頭をとる役割を依頼されました。
加藤さんには今日と同じ話を東京農業大学総合研究所研究会農薬部会でもしてもらえないかと打診をして了解を得ましたので、次回(3月10日)の農薬部会幹事会で提案しようと思っています。

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