2017年3月8日水曜日

農薬学会大会の一般講演とシンポジウムが開催されている愛媛大学城北キャンパスのツバキカンザクラはやはり満開で、ソメイヨシノより濃い紅色の花が見事です。
千葉大学の西千葉キャンパスでも同様のポスターがありましたが、新興宗教を対象にしているのか過激な政治組織を対象にしているのか、学生に注意を喚起するポスターが掲示してありました。

午前中の一般講演で私にとって興味深い内容の発表もありました。私の発表は最初にちょっとあわててヘマをしたところもありましたが、まあまあ無事終わりました。今回は松くい虫対象の農薬の地上散布の現場で観察された不適切散布の事例を紹介して、散布作業者に対する研修の徹底と農薬散布者ライセンス制度の導入を提案するというのが主目的でした。研究で得られた新規知見の発表とは違いますが、不適切散布の現場の写真は「百聞は一見に如(し)かず」のたとえ通り、説得力があった筈です。
ランチョンセミナーは2会場で行われましたが、私はIES(Innovative Environmental Services)Ltd. のDr. Stefan Kimmel の「農薬国際登録におけるミツバチ試験とリスクアセスメントに関する現状と課題」の講演を聴きに行きました。
午後はシンポジウム2「生物の薬剤応答・抵抗性戦略から解き明かす農薬開発とシミュレーション技術の活用」が行われました。やはりいずれの講演も勉強になりましたが、私は特に最初のイギリスのローザムステッド研究所のDr. Barek Troczka の"Insect ryanodine receptors as molecular targets for diamide insecticides" と2番目の菊池義智博士の「共生微生物が賦与する昆虫の農薬抵抗性」が興味深いと思いました。
ジアミド剤(diamide insecticides)は、有機リン剤・カーバメイト剤、ピレスロイド剤、ネオニコチノイド剤に続いて開発された大きな殺虫剤グループですが、すでに世界の殺虫剤市場の8%を占めるようになっているとのことでした。
















大会が終わってホテルに戻って、まだ時間が早かったので、運動を兼ねてもう一度松山城公園に歩いて行きました。掘端には白梅とウメザクラとクロマツが植栽されていますが、松くい虫被害で伐採された根株が残っていました。
城山を天守閣広場を目指して歩いていたらシロハラ(初めて見ました)とショウビタキに出会いました。頂上の天守閣広場からは、瀬戸内海の伊予灘が見えました。