2017年3月10日金曜日

小田急線の経堂駅に行くために、私の自宅のある松戸から地下鉄千代田線に乗りましたら、偶然近くの左右のドアの両側の壁に掲示してある4枚の広告のポスターが目に入りました。今の時期ですから、学生に対する求人で、「失敗を恐れずに新しいことにどんどんチャレンジする人材を歓迎する」というメッセージを発信しているのでしょう。100点より100% という表現も、上手だなと感心しました。広告主の東京海上自動という会社をネットで検索してみましたら、https://www.hokende.com/company/tk?pro_cd=whov1201&utm_source=yahoo&utm_medium=listing&utm_campaign=Yahoo%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E5%90%8D
医療保険、自動車保険、火災保険、海外旅行保険などを扱う保険会社のようでした。
この会社の広告は、私は記憶にありませんが、過去にも葵わかなという女優が出演するコマーシャルが評判になったようです。
https://matome.naver.jp/odai/2136223046089924001





今日は東京農業大学総合研究所研究会農薬部会の第105回セミナーが世田谷キャンパスの食と農の博物館であり、2題の講演がありました。
1. 「ゲノム編集時代の殺虫剤抵抗性研究と害虫防除」
   糸川健太郎(国立感染症研究所昆虫医科学部リサーチレジ    
         デント)
2. 「植物感染と植物保護についての私見」
   白石友紀(岡山大学名誉教授/岡山県農林水産総合センター    
        生物科学研究所長)

会場の食と農の博物館の前には巨大な鶏の像が設置してありますが、タイの王室から日本の皇室に贈られたものを東京農大が預かっているものだそうです。
博物館の1階のフロアには材鑑標本が展示してありますが、その中の1つは樹齢約1,400年の屋久杉で、約300年前に伐採されたものとのことですので、今から約1,700年前頃に屋久島で生育していたということになります。博物館には貴重なものがあります。





糸川博士は千葉大学時代の私の研究室で修士の研究をした元学生ですが、国立感染症研究所でゲノム編集という実験手法を用いて、殺虫剤抵抗性系統の蚊(サウジアラビア産ネッタイイエカ)で殺虫剤(ピレスロイド)の解毒に関与しているP450はCYP9M10という分子種だということを証明しました。その背景として、分子遺伝学の研究手法についても説明してくれました。
白石先生は植物病理学がご専門で、岡山大学教授を定年退職後、岡山県農林水産総合センターの生物科学研究所の所長をしておられる方です。近々日本農学賞を受賞されることが決まっているとのことですが、先生が長年取り組んでこられた微生物を使った植物病害防除のいくつかの話題について紹介しました。私にとって特に興味深かったのは、β-caryophellene(β-カリオフェレン)と呼ばれる物質が一方では植物の生育促進効果を示し、もう一方では炭疽病菌などの植物病原菌に対して抗菌活性を示すということでした。基礎的研究として大変すばらしいと思いましたが、何故かまだ農薬登録を取って実用化されてはいないようでした。
講演終了後、いつものように懇親会があり、その後山本 出先生のご自宅をお借りして講師を囲んだ二次会があり、楽しいひと時を過ごしました。