2017年6月29日木曜日

7月21日(金)に宮崎県で予定されている農薬シンポジウムの講演スライドの準備をしています。もう少しで出来上がるところです。広島、旭川での講演スライドと前半の基本的な部分は共通ですが、後半の各論の部分ではそれぞれ違った話題について取り上げるつもりです。


昨日は夜中に足が2回攣(つ)って、運動不足だから机に向かってばかりいないでもっと外に出て運動するようにとのメッセージを体が発信しましたので、午後から道場で空手の稽古と筋力トレーニングを1時間してからウォーキング/ジョギングを2時間15分してきました。
園芸学部の生協前広場には第16回就職ガイダンスの案内看板が立ちました。
江戸川堤防と矢切の斜面林の間の農耕地の間の小路を水田や畑の様子を見ながら運動しました。矢切ブランドになっているネギ畑が一番多く、その次がキャベツ畑、その他に面積は狭いですがエダマメ畑やキュウリ畑やトウモロコシ畑などもあります。それらを見ながらウォーキング/ジョギングをするのは楽しみです。










キャベツ畑とネギ畑でそれぞれ農薬散布をしていましたので、立ち寄って何を散布しているのか訊いてみました。キャベツ畑は若い農家が害虫防除のランネート45DF(有効成分メソミル)という殺虫剤とコテツフロアブル(有効成分クロルフェナピル)という殺虫剤を散布していました。キャベツにはアザミウマ類とアブラムシ類が発生していました。
ネギ畑はまだ稚苗を定植して間もない状態でしたが、壮年の農家がカスケード乳剤(有効成分フルフェノクスロン)という殺虫剤とメジャーフロアブル(有効成分ピコキシストロビン)という殺菌剤を散布していました。
私が千葉大学の名誉教授で農薬や害虫防除の専門家だとわかって、いろいろ質問をされました。同じ農薬でも、作物の種類によって散布時期が収穫前日の場合と収穫1週間前の場合とがあるのは何故だろうと疑問に思っていたとのことでしたので、農薬のラベルに記載してある使用基準の設定の仕方を一日摂取許容量(ADI)や残留基準の設定の仕方から説明してあげました。近くに住んでいてよく江戸川堤防をジョギングしているので、農薬について何か質問があればいつでも連絡して下さいといって名刺を渡しましたら、また畑に寄ってほしいと言われました。こういうことから農家との交流が始まるかもしれません。

ネギ畑の農家はちゃんと農薬散布用の防護マスクを着用して長袖・長ズボン・帽子・手袋を着用していましたが、防護メガネは着用していませんでした。キャベツ畑の農家は長靴・手袋は着用していましたが、半袖シャツで帽子も防護マスクも防護メガネも着用せずに、ランネートを散布していました。ランネートが劇物で、時々野鳥退治に目的外使用をされてニュースになるということは知っていましたが、劇物の中でも毒物に近い毒性を持っているので適切に使わないと危険だという認識はありませんでした。
ランネートのメーカーも農薬工業会も繰り返し農薬危害防止活動をやっていますが、現場ではまだ危険性が十分普及していないということの一例でした。こういう問題をどう解決したらいいか、今度どこかで提案してみようと思っています。