2017年6月5日月曜日

松戸駅を朝5:59発の電車に乗って京成電鉄の成田湯川駅に行き、待っていてくれた樹木医の吉岡賢人君(吉岡緑地、千葉大学園芸学部卒業生)の車で香取市のオオクス公園に行きました。府馬の大楠(実際はタブノキ)にはホシベニカミキリとベニカミキリが発生して、小枝が食害されて枯死枝が観察されましたので、NPO法人樹の生命を守る会が香取市の委託を受けて薬剤散布をすることになっていました。
私が千葉大学勤務時代に、香取市(当時は香取郡)山田町の水田にヘリコプターで散布された薬剤の生態影響調査で何年間も通っていた時に、何回か府馬の大楠を見に来たことがあります。巨大なタブノキが本当によく残ったものです。公園内には周囲の水田が見渡せる展望塔があり、宇賀神社もあります。小さなお社(やしろ)の両脇には御狐様の置物がたくさん置いてありました。公園の一部は土壌改良工事をしましたので、薬剤散布をする前に土壌の健康状態をチェックするために、pHの測定と生物(主としてミミズとヤスデ)調査をしました。同時に腐りかかった根株から発生している萌芽が生育し易いように、草取りや灌水をして周りを竹で囲みました。











スミパイン乳剤の希釈液を登録の使用基準通りに調製して、甚兵衛の森の場合と同じように15mの高所作業車の上から鉄砲ノズルで十分量散布しました。即効的な散布効果を確認するために、大きな枝葉の下にブルーシートを広げて落下昆虫を調査できるようにしましたら、ホシベニカミキリとベニカミキリが1頭ずつ落下してきました。
落下昆虫の調査は他の樹木医たちにまかせて、吉岡君と樹木医の石橋 亨氏(石橋造園土木)と私は車を運転して三保松原に向かいました。











約4時間で清水市に着きましたので、予約してあったホテルに寄ってチェクインし、先着していた樹木医の阿部 豊氏と合流しました。清水港には駿河水産のまぐろ館というレストランがあり、以前もここで食事をして気に入りましたので、ちょっと早目の夕食を食べました。まぐろのかまも付いた美味しい海鮮料理が1,000円で食べられるのですから満足度絶大でした。
クロカミキリ成虫が活動する時間に合わせて夕方の時間に三保松原に行きました。午後7:00から8:30ぐらいの間ヘッドライトを照らしながらクロカミキリの調査をし、4人で65頭捕獲できました。
捕獲したクロカミキリ成虫は個体別に小さな遠心チューブに入れ、水を加えて低温保管しました。個体別にマツノザイセンチュウの保持数調査とDNA診断をして、三保松原におけるクロカミキリのマツノザイセンチュウ保持率の推定をする予定です。
期待した通りのクロカミキリ成虫の捕獲ができましたので、帰りにコンビニに寄って缶ビールとおつまみを買って、ホテルのロビーのソファーで皆で祝杯をあげました。