2017年7月15日土曜日

旭川には、東京在住の長姉(87才)に、農薬シンポジウム終了後にレンタカーを借りて一緒に周辺の興味のあるところを旅行しようと誘ってあったのですが、急に行かれなくなったという連絡がありましたので、私一人でドライブするつもりでした。その話を聞いたK社長が、現地に詳しい社員の一人に、午後4時半出発の飛行機の時間まで車で案内させると言ってくれましたので、お言葉に甘えることにしました。
到着日に寄った旭川兵村記念館の屯田兵や日露戦争関係の展示をもう一度ゆっくり見たいという私の希望に合わせて、先ず北鎮(ほくちん)記念館に連れて行ってくれました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E9%8E%AE%E8%A8%98%E5%BF%B5%E9%A4%A8
この記念館は旧陸軍第7師団の敷地の一部に設置された陸上自衛隊旭川駐屯地の中にあったものを、基地の外の隣接した場所に移設してありましたが、ガイド役を務めてくれた人は現職の自衛官でした。
江戸時代末期から明治維新を経て太平洋(大東亜)戦争に突入し、終戦(敗戦)後の日本国憲法公布、朝鮮戦争を契機とした自衛隊創設につながる歴史を学ぶのに非常に興味深い資料が多数展示してありました。明治新政府では討幕に貢献した薩摩(鹿児島県)、長州(山口県)、土佐(高知県)などの出身者が多かったと聞いていましたが、北海道開発にも黒田清隆(鹿児島県)、永山武四朗(鹿児島県)、岩村通俊(高知県)らの貢献が大きかったようです。
太平洋戦争中にアリューシャン列島のアッツ島玉砕の兵士の鬼気迫る形相を描いた絵は以前もどこかで見たことがありますが、国のためと言われて徴兵され、人生途上で無念の死を遂げた当時の若者の心境を思うと胸が痛みます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%84%E5%B3%B6%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84

基地の近くの電柱には、旭川駐屯地盆踊り大会のポスターが貼ってありました。写真は取り損なってしまいましたが、自衛隊員募集のポスターに「平和を守る・・・」と書いてあるのが目に留まりました。実にうまい表現だなあと思いました。



















その後、近くの川村カ子(ネ)トアイヌ記念館 http://www.hokkaidolikers.com/articles/3907 に寄りました。




ちょうど昼頃になりましたので、上川郡東神楽(かぐら)町の蕎麦(そば)屋蓬(よもぎ)に寄って天ぷら付きのモリソバを昼食に食べました。しゃれたお店で、靴を脱いで上がりましたが、庭の草花を眺めながら食べる味は格別でした。
http://sobayomogi.wixsite.com/home/gallery



昼食後は、上川郡美瑛(びえい)町の見渡す限り広がる農耕地を見に行きました。この辺りは、小麦、甜菜(てんさい)、ジャガイモ、豆類が主要作物だそうですが、特に黄金色に輝く小麦畑が印象的でした。まさに北海道らしい景色でした。本当か、規模が大きいことのたとえ話かはわかりませんが、北海道の農家は鍬を持っていないとガイドの社員が話してくれました。
小麦畑の横に、私有地につき立ち入り禁止と4ケ国語(中国語、英語、韓国語、日本語)で書いた看板が立っていました。作物を盗むのを防ぐためではなく、多分、外国の観光客が写真を撮るために畑の中に入って踏み荒らされるのを防ぐためでしょう。


 
 



 


 





 
その後、ラベンダーで有名な富良野に連れて行ってくれました。ちょうどシーズンらしく、ラベンダー祭りの時期で観光バスが10台ぐらいに加えて、車列が延々と続いていましたが、さすが現地に詳しいガイドでしたので、駐車場待ちの車列の後ろにはつかずに、別の道を選んで駐車場に入り、空いている駐車スペースを短時間で見つけてくれました。お花畑への入場料は無料でしたが、お土産店やレストランのビジネスで収入を得ているとのことでした。
紫色のラベンダーも綺麗でしたが、それ以外の花も見事な配色で植栽されていました。
途中、JA美瑛が直営している店に寄ってみました。広大な敷地に、穀物貯蔵タワー、野菜集荷場、ホクレンのガソリンスタンド、レストランなどの施設がありました。













旭川空港には少し早目に午後3時頃連れて行ってもらいました。空港構内には背の低いマツの植栽がありました。樹形がマツ似た木もありましたが、葉の形はちょっとカヤに似ていました。誰かに訊いてみないと、私にはこの木の名前はわかりませんでした。
空港のロビーの壁には、今日見てきたファーム富田の花畑の写真が展示されていました。
短い時間でしたが、日本離れした北海道らしい雄大な景色を十分楽しむことができました。もしアメリカの友人が来日して一緒に旭川に来るチャンスがあれば、今日私が辿ったように北鎮記念館を見せて、アイヌ記念館を見せて、美瑛町の小麦畑の景色を見せて、富良野の花畑を見せて、十勝岳の麓の温泉宿で一泊させたいと思いました。