2018年2月28日水曜日

我が家の台所にノビルを巨大にしたような変な形のネギがあったので妻に訊いたら、葉玉ねぎと言って、タマネギの玉が大きくなる前に収穫したもののようでした。


今日は午後から東京農大に出かける予定がありましたので、午前中に江戸川堤防を1時間ぐらいウォーキング/ジョギングをして運動をしてきました。
園芸学部の研究圃場にはいろいろな木が植栽されていますが、今は珍しい形の黄色い花の咲く木の花が満開でした。
フラフラ歩いている動物がいたので野犬かなと思って近づいてみましたら、背中の毛が脱毛したタヌキでした。作物の研究圃場の端の生ごみ捨て場(出来損ないの落花生などが捨ててある)に歩いて行って、ミミズでも掘っているのか鼻先で土の中をかき回していました。今まで構内でハクビシンとヌートリア(巨大なネズミ)は見たことがありますが、タヌキを見たのは初めてでした。
国道6号の拡幅工事は、仕切り壁が撤去されて、急に広々と見えるようになりました。あとは、新しく造ったコンクリートの壁と園芸学部敷地の間に土を入れて木を植えれば工事終了かもしれません。








午後から東京農大総合研究所研究会生物的防除部会の講演会があり、興味深い講演2題がありました。
静岡県農林技術研究所茶業研究センター上席研究員の小澤朗人博士は、「茶園に生息する土壌天敵類に対する各種農薬の影響」について講演しました。
茶樹は常緑樹なので、元々生物多様性に富んでいる筈ですから、生態系のバランスをできるだけ崩さない(天敵類に優しい)ような薬剤が必要なのは当然です。何もしなくても時間の経過とともに天敵と害虫のバランスが取れてくるのでしょうが、天敵は常に餌になる害虫が増殖してから増殖してくるというタイムラグが存在しますので、高品質の茶葉を収穫するためにはどうしても害虫防除が必要ということになってくるのでしょう。






静岡県の「ふじのくに地球環境ミュージアム」研究院(准教授)の岸本年郎博士は東京農業大学の卒業生でしたが、「新規侵入外来昆虫の話題~特にヒアリの侵入について~」ろいう演題の講演をしました。
ヒアリのもたらす被害として、(1)人間の生命・身体への被害、(2)農業被害、(3)電気通信関連の被害、(4)生態学的被害を挙げました。
先日、有害生物研究会でヒアリとアルゼンチンアリについて講演した田付貞治先生は、(特に繁殖し過ぎると)ほとんど全てのアリは有害生物であるという位置付けをしていました。イソップ物語でアリは勤勉で、キリギリスが遊んでいる間もコツコツ働いて食料が無くなる時に備えているという話から何となく益虫のような印象を受けていましたので、一瞬「あれっ」と違和感を感じたのを覚えています。木造住宅に被害を与えるシロアリですら、森林では枯死した木を食べて土に還してくれる生態系の一員と思っていましたので、同じアリでも害虫になるか益虫になるかは状況によるのではと思っていました。
今日の岸本年郎博士の講演では、自然生態系の中ではそれほど悪役でもないという印象を受けました。さらに、外来生物についても外来だから悪いという位置付けはしていませんでした。考えてみれば、現在日本の在来生物になっているものでも、歴史をたどればいつかの時代に日本に入ってきて定着して在来生物になったのでしょうから、岸本年郎博士の説にも一理あるような気がします。








交流会にも参加して、松戸に帰ってきた時は夜になっていました。坂河沿いの河津桜はライトアップされていて、ちょっとロマンチックな感じでした。