林さんの車は日本製のスズキのGRAND VITARAという車で、後ろのドアには日本で組み立てれて輸入された車というステッカーが貼ってありました。中国国内で組み立てられた車より、信頼性が高いということを表しているのかもしれません。
環境及び植物保護研究所で林博士の研究室にちょっとだけ寄ってから、私が講演する大きな会議室に行きましたら、スクリーンに中国語で 「熱烈歓迎本山直樹教授 熱帯農業科学院環境及び植物保護研究所交流訪問」と書いたスライドが映っていました。
私の講演は日本語で行って、林博士が中国語に通訳するという打ち合わせで準備をしてありました。最初の挨拶を英語と日本語の両方でしたら、出席していた研究所の副所長(女性)が英語でやってくれないかと要望しました。林さんがすでに中国語に通訳する準備をしているのでと説明して、前半部分は日本語でやりました。休憩後の後半は副所長が是非英語でやってくれと再度要望しましたので、英語に切り替えました。副所長は英語が堪能のようでしたが、他の出席者は必ずしもそうではなく、英語で話して中国語の通訳がなかった後半は果たしてどれだけ理解してもらえたか・・。
最初送った原稿ではスライドが72枚ありましたが、通訳の時間も考えて最終的にはできるだけ削って68枚にしました。前半は主に日本での航空防除の現状について紹介し、後半は課題を解決するために私たちが実施してきた事例研究のいくつかについて紹介しました。
出席者からは自分たちが取り組んでいる課題と関連して、技術的な質問もいくつかありました-日本では無人航空機で農薬を散布するノズルは調節可能かということや、農薬希釈液に界面活性剤(展着剤)を加えることで薬剤の付着程度に影響があるかということなど。日本では航空散布できる登録農薬は271剤あるのに対して、中国ではまだ20数剤しかないとのことでした。
昼食後はホテルに戻って休憩し、夕方にはまた林博士が迎えにきて、夕食に東北(満州)料理専門店に連れて行ってくれて夕食を食べました。東北地方に特徴的らしい結婚式の時に乗る乗り物や赤ちゃんの揺り籠(かご)が展示してありました。レストランの食卓には必ず熱湯の入った魔法瓶と洗面器のような器が置いてあり、食器とお箸に熱湯を注いで消毒し、消毒に使った熱湯を洗面器のような器に捨てます。2003年にSARS(severe acute respiratory syndrome 重症急性呼吸器症候群)が中国で流行してから、予防効果があるかどうかはわからないけど、こういう習慣が定着したとのことでした。https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/414-sars-intro.html
食卓には大きな蚕の蛹がでました。最初はちょっと勇気が要りましたが、私は何でも試食してみたい性格ですので、塩をちょっと付けて食べてみたら海老に似た風味で結構美味しく、結局全部食べました。
アメリカと同じで、中国でも食事の量が多くて少人数では食べきれませんが、今日はお持ち帰り用の容器をもらって林博士が持ち帰りましたので、心が痛みませんでした。