2018年4月11日水曜日

ホテルの1Fのレストランで朝7時に朝食後、小型の無人航空機(ドローン)による薬剤散布の現場に2台の車で出かけました。私の乗った車の運転手は、10年前に海南島を訪問(当時、環境及び植物保護研究所は別の市にありました)した時と同じ運転手で、私のことを覚えていて、私は10年前とほとんど変わらないとお世辞を言ってくれました。
先ず、Longan(龍眼 りゅうがん)と呼ばれる果樹園に行きました。防除業者が有機リン殺虫剤のchloropyrifosと合成ピレスロイド剤のcypermethrinを散布することになっていましたが、ついでに葉面散布肥料も一緒に散布したようでした。中国に出かける前に農林水産省の植物防疫課を訪ねて日本の航空防除の現状に関するレクチャーをしてもらいましたが、日本では果樹や樹木に対するドローンによる農薬散布は未だ認可になっていないということでしたので、その点については中国の方が先行しているようです。ただ、多分散布をした果樹園の所有者の農家でしょうが、散布区域のすぐ近くに立って観察(監視?)してましたので、ここで散布されたクロロピリホスは劇物相当ですから、安全性に関する配慮は果たしてどの程度されているのかちょっと気になりました。

























次の散布場所はかなり離れた場所で、車で移動している途中に道路を歩いて移動している山羊や牛の群れとすれ違いました。研究所のある海口市は大都会ですが、農村地帯はのんびりした景色です。





かなりの時間運転して大豆畑に到着しました。ここでは広大な面積に、防除業者が畦道を歩きながらネオニコチノイド剤のthiamethoxamを散布していました。中国では人が地上散布をする場合の人件費は20元/10a程度なので、ドローンによる散布の方が高くなるとのことでした。
昼食を食べるのに寄った田舎の食堂の庭には、珍しい緑色の大きな果実がなっている木がありました。Jackfruit(ばらみつ)又はDurian(ドリアン)という果物で、果肉を生で食べたりチップにして食べたりするのだそうです。










私の乗った車には、林博士と女性の研究者2名が同乗しましたが、途中で女性の一人が何かのアレルギー反応か咳が止まらなくなりましたので、私のポケットに入っていた日本から持ってきたのど飴を一つあげました。それを見た林博士が、もう一つありますかと訊きましたので、ありますよと言ってポケットから出したら、もう一人の女性に渡していました。両方の女性を公平に扱う配慮だなと思いました。
ホテルに戻ってから、夕食は手造り餃子の店に連れて行ってくれました。仕切り版の内側でお客の注文に応じて流れ作業で餃子を造っていましたが、料理人は唾(つば)が料理に飛ばないように全員がプラスチック製のマスクを口と顎(あご)の前にしていて、衛生的な印象を与えました。
皆と別れてホテルの部屋に戻ったら、昨日食べる機会がなかったバナナとミニトマトのバスケットの他に、新たにパッションフルーツ、バナナ、龍眼のバスケットと多分お客への感謝と思われるメモが置いてありました。