2018年5月10日木曜日

道場で空手の稽古と筋力トレーニングを1時間しましたが、連続3日目でしたので、大分調子が出てきました。
生協前広場には新しい就職ガイダンスの立看板が出ました。求人する方もできるだけ多くの優秀な学生に応募してもらいたい筈ですので、大変だろうなと思います。
昨日見た葉と花に斑(ふ)入りがある珍しい庭木は、気になったのでもう一度見に行ってよく見たら、ピンクの花と思ったのは葉が緑になる前の段階のようでした。今日はデジタルカメラを持っていたので、昨日はスマホのカメラで撮った写真がピンボケだったヤマボウシの写真も撮り直しました。




公開講座の案内が出ていましたので、偶然行き会った世話人の大川克哉先生(私が現職だった時は果樹園芸学専攻の学生でした)に私も聴講していいかと訊いたらどうぞということでしたので、一度家に帰って講義が始まる16:10までに講義室に行きました。大川先生から今年度の公開講座のスケジュール表をもらいましたら、今日は5回目で、茨城県でパプリカの大規模栽培をしているTedyという会社 https://www.tedy.jp/information/ の社長が講師でした。元々は茨城県の経済連(農協の県組織、経済農業協同組合連合会)に勤務していたのを脱サラして、バラの栽培をしていた温室を借りてパプリカの養液栽培企業を始めた人で56才とのことでした。筑波大学の大学院にも5年間通って修士と博士の学位も取得されたとのことでした。パプリカ栽培は元々オランダが盛んで、韓国が日本と同様に行き詰っていた水田農業の代わりに技術導入し、日本への輸出産業に育て、現在日本で流通しているパプリカ(約4万4千トン)の中で国産はわずか10%で、輸入90%の中の約80%は韓国産とのことでした。
韓国でパプリカが輸出産業に発展したのには政府の手厚い支援があったとのことでしたが、2004年に韓国農林水産物流通公社「Whimori フィモリブランド」を立ち上げた背景には農薬問題があったとのことでしたので、私が具体的にどんな問題だったか質問をしました。クロルピリホス(比較的残効性が長く、毒性も高い劇物相当の有機リン殺虫剤)の残留(当時パプリカに残留基準が設定されていたかどうかわかりませんが)が検出されて、輸入の全面禁止が何回もあったとのことでした。
日本では大型温室での栽培が中心で、日本を代表するような自動車会社やゼネコンやIT企業の子会社が関わっているとのことでしたが、大型温室のオペレーションができる人材が圧倒的に不足しているという問題点を指摘していました。
日本で消費されるパプリカの75%(現在は80%とのこと)は韓国産という現状でいいのかという問題提起(国産のビジネスが伸びないことへの不満)に関連して、受講生から流通していてる国産のパプリカの価格は韓国産に比較して約1.5倍高いというのは何が原因かという質問がでました。それに対して、韓国の方が生産費が安いということだが、人件費は大差ない(韓国の大手企業の初任給はむしろ日本より高い)、土地代も大差ない、しかし温室のエネルギー代は特定の重油使用や地熱利用や電気代が日本の約1/5(原子力発電の貢献?)で日本より安いということと、初期投資の温室建設費用が韓国は日本の約1/2で済むというのが大きいという答えでした。では何故温室建設費用がそんなに違うのかという点については、明確な答えはありませんでしたが、日本は流通過程に何段階かあるので、それがコスト高に影響している要因の一つだろうとのことでした。
栽培している品種は、韓国も日本も元々はオランダから導入したので大差はないが、10アール(1,000m2)当たり収穫量はオランダが30トン、韓国が20トンに対して、日本はそれに達していないという技術的な差もあるようでした。
受講生は学生の他に私のような市民もいましたが、実際に企業として農業経営をやっている人の講義でしたので、大変勉強になりました。
我が家に帰って、早速妻に冷蔵庫にパプリカが入っているかと訊いたら、高知県産のサラダ用赤ピーマン(税別で1個230円)と佐賀県産のパプリカ(赤)(税別で1個198円)を出してくれました。いつも買う韓国産パプリカは大きさがもう少し小さいのが、1個98円ぐらいだとのことでした。それだけ差があれば、しかも輸入商社が間に入って残留農薬等の安全性の問題も無くなっていますので、国産パプリカのシェアがなかなか伸びないのは当然だなと思いました。
残り9回の公開講座も面白そうな内容ですので、他のスケジュールと重ならない限り聴講しようと思っています。