2018年5月5日土曜日

渡辺種苗店の壁に貼ってあったパラコート剤取扱店の掲示が気になりましたので、朝もう一度訪ねて見せてもらおうとしたら、古いものがそのまま掲示してあったので昨日私と話した後で捨ててしまったとのことでした。歴史的に貴重な資料なのでと言って、3つのごみの袋を全部調べてもらったら、見つかりました。ごみを処分する前でラッキーでした。
一部、褪色して見難い部分がありましたが、「お客様へのお願い」と「医薬用外毒物」と判読できました。毒物・劇物取締法による分類では、毒性(LD50値)が50mg/kg以下が「毒物」の筈ですから、パラコートのラットに対する毒性は150mg/kgですから
「劇物」相当の筈です。ネットで検索してみたら、昭和55年(1980年)から昭和59年(1984年)の5年間のパラコート散布中の死亡者数は9人なのに対して、同期間の誤飲・自他殺等による死亡者数は1,125人で、昭和60年(1985年)には1,021人に達していました。今から思えば、1つ農薬でこんなにも死亡者がいたとは信じられない思いです。これでは、農薬は危険、恐ろしいというイメージが形成されて当然です。
そのために、社会的に大きな問題になり、日本農村医学会総会では「特定毒物」指定にする決議を採択したようです。
現在では、当時のようにパラコート濃度が24%や38%の製剤は中止し、パラコート5%とジクワット7%の混合剤プリグロックスLやマイゼットという製剤に切り替えたようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%A9%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%88
規制をどんなに厳しくしても、農薬を自殺や他殺に使うのを完全に防ぐのは難しいかもしれませんが、私が以前から提案しているように、日本でもアメリカと同じように毒物・劇物相当の農薬についてはきちんと研修を受けて使用者としての許可証を交付された者しか購入も使用もできないという制度の導入が必要だと思います。




香取市山田区の神生(かんのう)地区の水田とその間を流れる仁良川、下流の田部(たべ)地区の水田を見に行きました。昔千葉大学の現職時代に、有人ヘリコプターで農薬が散布された時に水中濃度や水生生物に対する影響を調査に行ったところです。毎年この時期には仁良川が流れ込む橘堰の上空を横切ってたくさんの鯉のぼりが泳いでいましたので、今でも続いているかどうか見たいと思いました。
神生地区も田部地区もほとんどの水田はすでに田植が済んでいましたが、一部田植をしている農家の姿もありました。
チュウサギ、アオサギ、オオヨシキリや、オタマジャクシの姿も見えました。
鯉のぼりは昔と同様に空を横切って泳いでいて、子供の日だったせいか、その下を子供をつれた家族が何組もいました。
湧水で1年中水が枯れないために、土着の黒いメダカが生息していた田部地区の小さな水路もそのままありました。