2018年5月16日水曜日

農薬工業会の第87回通常総会後の講演会・懇親会が日本橋の鉄鋼会館で開催され、私にも招待状が届きましたので出席しました。
講演は「消費者からみた現実の食と農薬のイメージ」という演題で、演者は河野康子氏(一般財団法人日本消費者協会理事)でした。河野氏は多様な履歴をお持ちの女性で、教員、各種消費者団体や生活協同組合の役員、いくつかの省庁の委員会委員などを経験された実績の他に、最近孫ができたお婆ちゃんでもあると紹介されました。1時間の講演時間を10枚のスライドを使って、ゆっくり、丁寧に、食の安全の中で農薬の問題は小さいにもかかわらず何故消費者は不安になるのか、それを解決するにはどうしたらよいか、などについて説得力のあるお話をされました。
農薬工業会が策定したJCPA VISION 2025 は、2015年の国連総会で採択されたSDSGs(持続可能な開発目標)に呼応しているとして高く評価していました。
http://www.jcpa.or.jp/news/20180322.html





懇親会では西本 麗会長(住友化学株式会社)の開会の挨拶、農薬工業会の5委員会委員長の紹介、農水省消費・安全局安岡澄人農産安全管理課長の来賓祝辞があり、懇談の後小池好智副会長(クミアイ化学工業株式会社)の中締めの挨拶がありました。
来賓祝辞を述べた安岡氏は、農薬行政に関する最近の話題をいくつか紹介しました。農薬は現在でも安全だが、さらに安全を安心に結び付けるために農薬取締法の改正を目指して国会に提出したとのことでしたが、現在の森友・加計問題その他の問題にたいする安倍内閣の不誠実な対応で国会が空転している状況下で果たして審議してもらえるところまでいくかどうか・・。私にとって興味が深かったのは、小型の無人航空機(ドローン)による農薬散布に関連して、地上散布で登録のある農薬については高濃度少量散布をするドローンでも使えるように検討をしているとの報告でした。従来のやり方だと、同じ有効成分で同じ対象作物でも希釈倍数と散布液量が違いますので、薬効・薬害試験や、作物残留試験を全部やり直しになりますが、それをどれだけ省略できるか・・。