2018年10月13日土曜日

朝いつものようにモーテルの近くのSymphony Lakeに出かける前に私が宿泊している2階の部屋の窓のカーテンを開けてみたら、木立の向こうに綺麗な朝焼け空が見えました。
今日は土曜日なのでAmphytheatreではコンサートか何かの催しがあるらしく、グリーンウェイ(遊歩道)のゲートが閉まっていましたので、遠回りをして途中からグリーンウェイに入りました。Amphytheatreの事務所の近くには、葉に斑(ふ)が入っている珍しい植物が植栽してあって、花が咲いていました。千葉大学園芸学部の構内でよく見たのと同じ形の実が落ちていましたので、多分モミジバフウの実ではないかと思います。White Oakeというのは葉縁の手の指のような突起の先が丸みを帯びているのに対して、Red Oakというのは突起の先が鋭く尖っているとのことですが、グリーンウェイの途中にRed Oakの大木がありました。ドングリはWhite Oakと変わらない感じがしました。幹の樹皮は、水元公園でよく見たコナラの樹皮とよく似ています。
日本にいた時は林の中を歩いてもあまりキノコのことは気が付きませんでしたが、こちらでは実にいろいろなキノコが生えていて、ついつい目に留まってしまいます。林床部の土壌の違いなのか・・。














USEPA(米国環境保護庁)のDr. PV Shahから電話があり、10時半頃私のモーテルの部屋に来るということになりました。Mike Roe教授と昼食に行く前に、私が欲しかった情報をラップトップPCで検索する方法を教えてもらうためです。彼はUSEPAのRegistration Division(登録部)のOffice of Pesticide Program(農薬プログラムオフィス)の中のInert Ingredient Assessment Branch(不活性成分評価ブランチ)のChief(責任者)という立場で、25人の部下がいるそうです。その人たちから送ってもらった情報を、スマホから私のPCのメールに転送してくれました。膨大な情報が含まれていますので、時間のある時にゆっくり見てみようと思っています。
Occupational handler: https://www.epa.gov/pesticide-science-and-assessing-pesticide-risks/occupational-pesticide-handler-exposure-data
Occupational postapp: https://www.epa.gov/pesticide-science-and-assessing-pesticide-risks/occupational-pesticide-post-application-exposure
Residential SOPs: https://www.epa.gov/pesticide-science-and-assessing-pesticide-risks/standard-operating-procedures-residential-pesticide

Dr. Shahにはもう一つ質問しました。何年か前に私がUSEPAを訪ねて、当時Active Ingredient Assessment Branch(有効成分評価ブランチ)のChief(責任者)をしていたDr. Mike Ioanno(やはりノースカロライナ州立大学の出身者)にMultiple Chemical Sensitivity Syndrome(化学物質過敏症)とSick Building Syndrome(シックハウス症候群)についてアメリカのEPAはどういう対応をしているのかと訊いた時に、二重盲検の調査結果(患者グループと健常者グループの間に感受性の有意差はない)が医学関係学会誌に多数発表されたので、特別扱いはしないという答えだったが、今はどうかと訊いてみました。今も当時と同じ方針で、暴露濃度を測定してリスクアセスメントをして判断をしているとのこと。化学物質過敏症もシックハウス症候群もアメリカでは20年ぐらい前は大騒ぎをしていたが、今は全く問題にならないとのことで、化学物質に特別感受性が高い人に対しては、リスクアセスメントで3倍か10倍(場合によっては5倍)の不確実性係数をかけることで対応しているとのことでした。例えば、合成ピレスロイド剤の場合は、解毒に関与するある酵素活性が乳幼児(3才以下?)には欠如しているので、3倍の不確実性係数をかけてADI(一日摂取許容量)を設定しているとのことでした。

ノースカロライナ州立大学のRoe教授の研究室にはDr. Shahの車で11時半頃着き、しばらくRoe教授が発明した忌避剤の登録に関してEPAから指摘されていることについてディスカッションをし、その後Sushi Nineというレストランに行きました。日本の寿司料理だというのですが、注文して出てきたのは日本の寿司とは全く似ていないアメリカ的な寿司の形に巻いたお米の上にごたごたいろいろな具が載せてありました。Dr. Shahはインド人でVegetarian(採食主義者)ですから野菜料理を注文し、Roe教授はチキンを注文し、お金は全部Roe教授が払ってくれました。
研究室に帰ってきて3人で記念写真を撮ろうということになって、Dr. Shahがスマホのカメラで自撮りをしてくれました。最初室内で撮ったら天井からの蛍光灯のせいか少しボヤケていたので、外に出てもう1枚撮りました。
来年もまた3人で再会するのを年中行事にできたらいいねと話して、別れました。
Dr. Shahは今月の末にEPAを退職することにしたとのことでしたので、今から私が日本に帰っていくつかの団体と相談をしてみるが、来年の3月か4月頃日本に来てEPAの農薬登録の手順やリスクアセスメントの考え方などについて何回かシリーズで講演をしてくれないかと打診してみましたら、お金に不自由はしていない(余裕がある)らしく、自費で行ってもいいと言ってくれました。彼はPh.D取得後、民間の薬品会社に勤務した経験もありますし、EPAの研究所での勤務経験もありますし、何よりもEPAで長年にわたって第一線で農薬登録業務に携わってきましたので、日本の関係者にとってもアメリカのシステムを晩強する貴重な機会になるのでは思います。
特に、IARC(国際がん研究機関)によって発がん性2Aに分類されて最近問題になっているグリホサート(除草剤ランウンドアップの有効成分)について彼自身がレビュー(総括)をしたとのことですので、この分野についてもEPAがどういう評価をしているのか興味があります。

 

私は4時半頃から車でLake Johnsonに行って、いつものようにEast LoopとWest Loopの両方をウォーキングしてきました。身体が軽くなったせいか、途中少しだけジョギングも入れました。